エピローグ これからも

二人で過ごすクリスマスも7回目を過ぎようとしていた。


「和真くん、ほんとに良いの?ちょっと高いよ?」

二人が来ていたのはジュエリーショップ。

二人は結婚することになり、美桜が卒業したら式を挙げて、入籍することにした。

呼び方も変わり、彼女は結婚するのに『せんぱい』はおかしいから、和真くんと読んでいる。

反対に、和真は美桜ちゃんの要望で『美桜』と呼び捨てで呼ぶようになった。

また、婚約を期に、敬語も辞めることになった。

和真は大手の文房具メーカーに就職し、来年度で二年目になる。


「大丈夫、買えるから」


美桜が言っている指輪は、店に入ると真っ先に見に行った物だ。予算より少し安くなるが、美桜には内緒だ。


手続きを済ませ、支払いをする。わかっていたのだが、請求書を見て泣きそうになった。

「クレジットの分割払いで………」



―――

あのあと、美桜に連れられたのは産婦人科だった。

医者の話を聞いて、本当に腰を抜かした。

実は、美桜の体内に子供が宿った。


「美桜ももうすぐママやな」

「うん、式は普通に出れそうでよかったわ」

「男の子かな?あのとき激しかったし」

「アホ」

「痛たっ!」

人前で平気でその様な事を言う美桜に対して、チョップする。


「頼むからそう言うことを人前で言うな、お願いやから」


お腹を擦りながら、二人は手を繋いで家路につく。

これからも、二人で、これから生まれる子供と一緒の未来を見据えて。

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