第353話シルビアと春香のあ然、エレーナのお願い

華音は、しばらくしてシルビアの胸から解放された。

そして「シルビア、最近、分厚くなった」と、ポツリ。

シルビアは、胸を張る。

「ありがたいと言いなさい」

そのシルビアを春香がたしなめる。

「華音が望んだわけでなく、それ、私への皮肉?」

シルビアは春香の胸をつかむ。

「ふふん、春香、嫉妬?」

春香もお返しをしているので、華音はそのスキにようやく二人から脱出。

そのまま脱衣場に直行、着替えも早い、姿を消してしまった。


後に残されたシルビアと春香は、あ然となる。

シルビア

「マジに見慣れられて、抱かれ慣れて・・・」

春香

「単なるお肉としか見ていない、分厚いとか」

シルビア

「ふむ、確かに分厚い」

春香

「また皮肉?やかましい」

「私くらいが、品がある」

シルビア

「でも、華音は、気にしていないよ」

春香

「あれはアホだから、女心がわからない」

シルビア

「女心がわからないのに、紫の上のスピーチ?」

春香

「でもさ、危険もあるよ、慣れすぎると」

シルビア

「女体への新鮮味がなくなるとか?」

春香

「そう、無反応になるとさ・・・後継者が生まれなくなる」

シルビア

「でもなあ、華音とお風呂入るのが好きなの」

春香

「そうだよね、裸の付き合いは日課だ」

シルビア

「女として見られていないね、きっと」

春香

「そうだよね、うーん・・・」

華音が去った大風呂では、そんな話が続いている。



さて、華音が自室に戻ると、エレーナが部屋の中にいた。


エレーナ

「あら、先にお風呂しちゃったの?」

華音

「うん、シルビアと春香も一緒」

エレーナ

「そっか、残念、私、大使館の人とお話していて、タイミングを外した」

華音は「うん」と頷くだけで、特に返す言葉がない。


そんな華音にエレーナが声をかけた。

「ねえ、華音君、二つ、お願いがあるの」


華音は、「シルビアと春香にもお願いをされたな」と思いながら、エレーナの言葉を待つ。

エレーナは真面目な顔。

「一つは、華音君とレスリングで勝負したい」

「それから、もう一つはできれば、二人きりでデートしたい」


華音は少し考えて答えた。

「一つ目は、勝負でなく、練習ならいいかな、レスリングだけの」

「二つ目のデートは・・・僕はかまわない、難しいのは他の人たち」


エレーナは、本当にうれしそうな顔。

「いいなあ、華音君、すごく可愛い」

「他の人は・・・無視・・・」

「ずっと一緒にいたい」

そのまま、華音を抱きしめている。

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