第351話新聞部高橋麻友の華音独占計画は?

華音は、「何が起こったのやら」状態、文学研究会女子生徒は「かなり気に入らない」状態の中、高橋麻友は華音の手をスリスリ。

「ねえ、華音君、お願いがあるの」


華音は「はぁ・・・」

文学研究会女子は、目が三角になった。

「あのさ、どさくさに紛れて何しているの?」

「お願いを言う前に手を握るって、どういうこと?」

「華音君に色仕掛けは厳禁」

「その手のスリスリが、メチャ不穏なものを感じる」


さて、新聞部高橋麻友は、そんな反応にはおかまいなし。

そのまま手をスリスリしながら、要件に入る。

「あのね、華音君、学園新聞にブログ書いて欲しいの」

「学園のホームページでもいいかな」

「学園長に了解とったよ」

「華音君が書くのならOKってね」


華音は「ほー・・・」と、少し考えて、逆質問。

「高橋さん、ブログといっても、テーマとか、あるのですか?」

高橋麻友は、首を横に振る。

「ないよ、みんな華音君におまかせ」

「今日みたいな源氏でもいいし、他のでもいい」

すると華音は、また逆質問。

「僕だけに限定なのですか?」

高橋麻友は三角の目をして、見つめて来る文学研究会女子に少し引く。

「うーん・・・華音君は決定だけどさ・・・」


華音は、部長の長谷川直美に声をかけた。

「じゃあ、せっかくだから、全員で書きませんか?」

「どうしても僕が限定ではないようなので」


長谷川直美の反応も超速。

「はい、これで決定!」

「文化祭も終わったことだし、新しい活動テーマができました」

花井芳香は、「うーん」とうなって

「そうだなあ、源氏だと華音君に勝てないから・・・女子高生推薦グルメ情報にするかなあ」

佐藤美紀は、超笑顔。

「まあ、推薦入学も取れそうだし、気分転換に書けるね、私は女子高生推薦映画情報にする」

志田真由美は目がキラキラとしている。

「近所の史跡探検もいいなあ」


華音は、文学研究会女子の積極的な反応に笑顔。

「じゃあ、僕は古文系にします」

長谷川直美も自分のジャンルを言っていなかったので、

「私は、美術館情報にするかな、大学でも美術史学ぶから」


高橋麻友は、がっかりしたような、うれしいような複雑な気分。

「ブログにかこつけて、華音君を独占しようと思ったのに、これでは5分の一だ」

「それにしても、軽くかわされた」

「全て面白い情報かなあ、みんな文章は上手だし」


そんな高橋麻友にはおかまいなく、文学研究会女子は華音に「お誘い」をかけている。

花井芳香「グルメ情報の時に付き合って、味覚は華音君は一級品」

佐藤美紀「映画は一緒にね、華音君の判断も聴きたい」

志田真由美「史跡の時も一緒、華音君な歴史にも詳しそう」

長谷川直美「美術館もね、お願いします」


これには、高橋麻友だけではない、華音も呆れた。

「結局、全員とお出かけをするってことですか?」

「分担を決めた理由はどこに?」


すると文学研究会女子全員は即答。

「華音君には、文学研究会の事業において、独占禁止法が施行されているの」


これで、新聞部高橋麻友による「華音独占計画」は、あえなく破綻となってしまた。


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