第327話超美味!ルーマニア風ドーナツ。ハロウィンの危険。
エレーナが作ったルーマニア風ドーナツは、「パパナッシュ」というもの。
揚げたての温かいドーナツに、ヨーグルトのようなさっぱりとしたクリーム。
それに甘酸っぱいチェリーソースがかけられている。
松田明美が一口食べてにっこり。
「マジ?この弾力・・・ソースが抜群」
今西圭子は、バクバクと食べる。
「甘み・酸味・香ばしさ・コク・・・完璧」
シルビアは味の深みを感じている。
「チーズの風味もする、練り込んであるのかな」
春香も、食が進む。
「重たそうな感じだけど、食べられる」
さて、華音は、いつもの冷静な感じ。
「どちらかというと、女性向きのデザートかな」
「甘すぎないから、流行るかも」
エレーナは、全員の反応が良いので満足そう。
「何となく作りたくなってね」
「故郷の味だけど」
華音はエレーナの手を握った。
「そうだよね、ずっと離れて」
「時にはそうなるよ、元気を故郷にもらいたいって」
松田明美が華音の顔を見た。
「華音ちゃんも?お母様とお話したから?」
華音は笑って首を横に振る。
「いや、母さんは、あまり関係ないかな」
「主に、風景を見たいなあとかは、思う」
シルビアは華音に少し文句。
「それが悪いの、華音、お母様をないがしろにして」
春香も華音を責める。
「心配していたと思うよ、それを電話も二ヶ月もしないんだから」
今西圭子は、ため息。
「まあ、こっちに来てからの華音ちゃんは、いろいろ危険な騒動に巻き込まれて」
「普通の母なら卒倒するかも」
責められる華音をエレーナがフォローする。
「とにかく元気な顔を見せること、それで母は救われる」
「危険な時もあったけれど、乗り越えたんだからいいさ」
華音は、ようやくフォローが来たので、ひとまずは安心。
そして、話題を変える。
「ねえ、明美さん、ハロウィンってあるよね」
松田明美の表情が、少し厳しくなる。
「うん、最近は暴動まがいになる」
「集団心理で暴徒化する、酒の影響もあるけれど」
シルビア
「今年は会場付近で、自販機で酒を売らないとかって、聞いたけど?」
今西圭子
「それ、実効性ある?居酒屋とかバーでは飲めるんでしょ?」
春香
「そういう規制がない場所で買って来るとか出来るよね」
松田明美
「主催者サイドとしては、制限にも限度がある」
華音も、表情が厳しい。
「酒で暴徒化する場合もあるけれど、酒を飲まないから暴徒化しないとはならない」
「もし、あの群衆の中に、訓練を積んだアジテーターが何人かいると・・・」
「規制そのものに反対するとか、何らかの理由をつけて、簡単に暴動を起こせる」「むしろ、暴動を起こしてとか、起こさせて、楽しむ人たち」
エレーナが少し青い顔になって、華音に尋ねた。
「ねえ、華音君、何か感じるものがあるの?」
華音は、難しい顔のまま、頷いている。
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