第274話意外?華音のバニラアイスアレンジ。

華音はお屋敷に到着した頃には、すっかり回復、いつもの笑顔まで見せている。

その華音にシルビアが声をかける。

「お風呂に入る?汗を途中でかいていたけれど」

春香は、慎重に華音を見る。

「シャワーだけにする?お風呂で倒れても心配」


華音は笑って首を横に振る。

「大丈夫、ご心配なく」


立花管理人が華音に声をかける。

「少しリラックスしていただきたく、バニラの風呂をご用意いたしました」


華音は「へえ・・・」という程度になるけれど、そのバニラにお姉さまたちが、即反応開始。


今西圭子

「ふむ、私の美肌がますます香ばしくなる」

松田明美

「バニラと聞いただけで、心も身体もやすらぐ」

シルビア

「やはり若い人の方が、効果がある香りなのでは、まあ20代以降はねえ・・・」

春香

「うん、そうやね、でも華音も入るんやろ?どんなんやろ・・・」


エレーナは顔を赤らめている。

「バニラって・・・男女の営みの時にね・・・うん・・・」

なかなか、それ以上は恥ずかしいらしい。


お姉さまたちの反応を、ほとんど聞いていない華音は、立花管理人にお願い。

「お風呂上りに、バニラアイス食べたいのですが」


立花管理人はにっこり。

「はい、実は大きなアイスを準備済みです」


すると華音はますますうれしそうな顔、お姉さまたちとバニラ風呂に向かう。

華音は、もはや恥ずかしがることもないようだ。

お姉さまたちへの、ためらいもなく全てを脱ぎ、大風呂に入る。


今西圭子が少し残念そうな顔。

「華音ちゃんの恥ずかしそうな顔が面白かったのに」

松田明美は、ため息。

「見慣れてしまって、感じるものがないとか」

シルビアはムッとしている。

「今が一番美しい時期なのに、見ないとは気に入らない」

春香はフフンと笑う。

「私は成長しはじめたから、これからが見頃」

エレーナは、自分の胸をタプタプ揺らす。

「うん、大きすぎるのかなあ・・・この成長はいつ止まるのか」


さて、華音はバニラ大風呂につかり、変なことを言い始めた。

「あのさ。立花管理人が大きなバニラアイスを準備しているみたいなの」


お姉さまたちが「何を言いたいの?」と黙っていると華音。


「アレンジして食べるのが好きなの」

「少しお塩を混ぜて、塩バニラアイス」

「ラムレーズンを混ぜるのも好き」

「チョコレートソース、珈琲リキュール」

「抹茶、ワサビの粉末」


次々にバニラアイスアレンジを語る華音にお姉さまたちは目を丸くするやら、様々。

今西圭子

「全部食べたらマジに太る」

松田明美

「うん、バニラ風呂に入って、その次は美容の敵?」

シルビア

「やはり華音はお子ちゃま、でも今でも食べたい」

春香

「私は成長期だから問題ない」

エレーナ

「ますますタプタプしたらどうしよう、ブラがきつくなる」


そんなお姉さまたちの反応など、かまいはしない華音はもう一言。

「あのさ、バニラアイスにお醤油をたらすと、みたらし団子になるの」


目を丸くするお姉さまたちを見ながら、華音はフフンと笑っている。

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