第232話危険な寝室

寝室の中で、華音はエレーナの抱き枕と化している。

何しろ、動こうにも全く動けない。

それには華音は恥ずかしさと、ひとつの疑問が生じた。

「ねえ、エレーナ、これってもしかして・・・レスリングの寝技?」

抱き枕と化していながら、「レスリング」などと言い出すのも、やはり「無粋」な華音であるけれど、エレーナはますます華音を抱く腕の力を強めて告白。

エレーナ

「うん、私、グレコローマンの選手だもの」


華音は納得した。

「そうか、だから動けないのか、面白そうな格闘技だ」


ただ、エレーナから帰ってきた言葉は、全く次元の違う話だった。

「ねえ、華音君、女性との経験ってあるの?」

そのエレーナの声は、少々湿っているけれど、華音は気がつかない。

「うーん・・・ないよ、そんなの、グレコローマンどころか女性と格闘技なんてしたことない」


エレーナは、その華音の反応に少々呆れた。

「いや、その話ではなくてさ・・・」

「意味が違う」


エレーナの湿った声と華音の「のん気な答え」を聞いていたお姉さまたちが、早速反応をはじめた。

今西圭子

「エレーナ、まだ、教育していないよ、それ」

松田明美

「小さな頃から、おしめを替えたりしたけれど」

シルビア

「でもね、そろそろかなあと、思うよ」

春香

「ただね、男の子のはじめての時って、慎重にしないとさ」

今西圭子

「そうなの、それが心配でね、トラウマになっても困るし」

松田明美

「体力はある子だからいいと思うけれど、まだ15歳だしねえ」

シルビアが、少し呆れるような言い方。

「胸に包むでしょ、華音を、すぐに寝ちゃうの」

春香も同じ。

「その意味で、マジにお子ちゃま」


お姉さまたちの話を聞いていたエレーナの手が、華音のあちこちに動く。

「それにしても、どこそこ立派ですよ、この子」


華音は、エレーナの手が動くたびに硬直。

「逃げたい、ここから、でも動けない」

「密着し過ぎ・・・手の動きが変」


突然、華音はお尻を触られた。

シルビア

「でね、ここの呪印がね、観音様と毘沙門もあるんだけど」

春香

「また、違うのも育ちつつあるみたい」

今西圭子は、華音のお尻をなでる。

「うーん・・・アポロ神かなあ、芸術の神」

松田明美は、指で華音のお尻をツンツン。

「どっちにしろ、このお尻相は、絶倫系、だから格闘も強い」


エレーナの顔が赤い。

「うん、抱いているだけで幸福感があるもの」

「というより、腕を離せない」

「腕をこれ以上動かすと、意識が飛ぶ」


今西圭子は顔を赤らめ、お姉さまたち全員の顔を見まわす。

「ねえ、これ・・・やばいかも」

松田明美もため息。

「私も心臓バクバクしてきた」


シルビアと春香も、興奮してきたようだ。

真赤な顔で揺れる胸を押さえている。


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