あるあるその6 個性を出せと言い過ぎ
これからは個性の時代! 個性をどんどん伸ばせばきっとうまくいく!
などと言って個性を出すことがいかに素晴らしいか、反対に没個性的であることをいかに罪深い事か、を語る者は実に多いですが正直、個性を出せばそれでいいのかとなるとやっぱり違うわけなんですよ。
個性には「大衆に受けやすい個性」と「受けにくい個性」というのがあって、受けにくい個性を伸ばしても何にもならないんですよ。例えば「生理中の女性が大好き」とか、「妊婦が大好き」とかいう好みは個性ですが受けがいい物ではありませんよね?
実例を挙げるなら、私が書いた作品に「俺をいじめた奴を悪魔の力で叩き潰した挙句正義の味方名乗ってるけど文句あるか?」(マグネットでは「刈リ取ル者」という題)っていう主人公がタイトル通りの事をやる作品があるんですけど、15万字程の長編なのにカクヨムでは5000PV程度です(蛇足になりますが小説家になろうではファンレターを貰う位にはヒットしました)。
この作品は「いじめ」という悪に正義の鉄槌を下す爽快感と、天使から力を得た少女たちとの異能バトルを描いた作品で、
中学生の頃にいじめられた被害者が30歳の時の同窓会を発端に復讐するシーンでは、自分をいじめていた元同級生の娘(5歳の幼女)を金づちで半殺しにした上に、ガソリンをかけて焼き殺す所を見て自慰をするというこれ以上は無いという位に凄まじく個性的なシーンがあります。
他にも途中敵が悪堕ちして味方になるという展開も非常に個性的で、主人公が結婚して子供を持つというのも個性的だし、ラストの展開も個性の塊。
個性的か否かで言えば、間違いなく個性的な作品です。(ある意味親バカというひいき目もあるが)
個性が強ければいいというのなら、この作品は爆発的にヒットして順調に100万PV突破、書籍化すれば連日のように重版がかかり、コミカライズも大人気、グッズも飛ぶように売れ、とんとん拍子にアニメ化、ゲーム化、そして映画化してないとおかしい事になります。
そうならないのは個性的なら何でもいいわけではなくて、大衆に受け入れられる個性でなくてはならないんですよ。
さらに言えば何でコンコルドは全機退役したんですか? あれは「超音速旅客機」なんていうものすごい個性的な旅客機じゃないですか。チケットは売れに売れて連日満席で「お金を見るのが嫌になるくらい」儲かってないとおかしいはずです。
そう言う意味でもただ個性を出すだけでは駄目なんですよ。
というか「個性を出そう」と言ってる連中に限って「本当にお前は個性的なのか? 本当は『個性的に見せてるだけ』なんじゃないのか?」と問い詰めたくなりますね。TV通販やソシャゲとまでは行きませんが、彼らをよくよく見ると売れるパターンにガッチリはまってて全然個性的に見えないのは気のせいでしょうか?
ヤンキーが個性的になって目立とうと愛車を改造したけど、周りのみんなも同じ改造方法で目立とうとしたから結局みんなと同じ格好になってしまった。みたいな感じで正直、滑稽です。
さらに言わせてもらえば無責任に「個性を出せ」って言ってる奴がゲロぶちまけるぐらいに大嫌いなんですよ。
実をいうと私は発達障害持ちで世間一般からの「仕事に個性を出して活かしましょう」なんていうクソみたいなお題目ばかり聞かされて本当に頭に来てるんですよ。
「個性を生かせと高尚にほざく貴様等は本当に個性を生かした仕事をしているのか!? 俺の手本にもなれずに何を偉そうに!!」とね。
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