あるあるその1 金持ちの習慣を真似しろと言い過ぎ

「金持ちの習慣を真似しろ」というのはビジネス本やコンサルタントは大好物で「財布の値段の200倍があなたの年収」とか「金持ちは毎朝便器を掃除している」とか「掃除のおばさんに感謝しろ」いう「裏ワザ」的なものが流行るのは人間のサガを考えればごく自然な事です。

 理由は非常に簡単です。「面白く」て「楽しい」からです。


 信憑性とか実用性とかそんなの関係ありません。『面白いだけ』で『ためにならない』裏ワザを知って、「いいだろ~俺はお前とは違って金持ちの秘訣を知ってるんだぜ~」と知識自慢してマウントとりたいだけで、本当に生活を改めようとはしません。




 そもそも「本当の」金持ちの秘訣というのは「ありきたり」で、「当たり前」で、「つまらない」ものなのです。

 具体例として「100年近く」出版され続けている、個人的にはビジネス書の名著中の名著、究極の1冊とも言える「バビロンの大富豪」という本があるのですが、そこで金持ちになる秘訣というのは


「収入の1割を貯金して残りの9割で生活しろ」

 あるいは

「収入の1割を貯蓄し、2割で借金を返し、残りの7割で生活しろ」


 というものです。当然と言えば当然で、そんな生活を送っていたら誰だって金持ちになれます。なれるのですが「ありきたり」で「当たり前」で「つまらない」のです。

 実際、この秘訣を初めて聞いた方は「そんなの当たり前じゃないか」と思ったことでしょう。ですが「誰にでも実践可能」な事というのは、おそらく「全部」が「ありきたり」で「当たり前」で「つまらない」ものでしょう。


 実際、この本の中でも「老人の知恵は動かぬ星(おそらく北極星の事だろう)のようなもので流星の様な輝きこそないが、動かないからこそ航海する船乗りたちが航路の指針にしているのだ」とも言ってます。


 前にも出した「東京から大阪まですばやく移動する方法」の場合、駅で切符を買って新幹線に乗って移動する。というのは誰でも出来るのですが「ありきたり」で「当たり前」で「つまらない」のです。ですがその「ありきたり」で「当たり前」で「つまらない」レベルにまで落とさないと誰にでも実践することは不可能なのです。




 よく「高級ラウンジに1日中居座って様子を見ろ」なんて言いますがお店側から嫌がられるだけなので止めておいたほうが良いですし、その程度で金持ちになれるのなら苦労はしません。


 その程度の「ちょっとした裏技」的なもので満足していると「勉強したふりをして賢くなったつもりになっただけの人」になってしまうかもしれません。

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