2話

ここは王立第一図書館。はるか500年も昔ーまだ魔術が信じられていた頃ーに設立された。世界中から全て正しい手段を以てとは言えないが数多くの書物が集められて続けている。地上3階地下2階、宮殿のような見た目から本の城と称される。そんな城の地下2階レファレンスカウンターのさらに向こう側。そこに今、私がここにいる理由がある。ことの顛末は1週間ほど遡らなくてはならない。花形とされる王立司書隊に入隊希望を出して数年、ずっと隊の訓練施設で極寒の地や木々の生い茂るジャングルなどでの調査を行うための訓練に励んでいたのだ。遂に入隊の条件となる3年の期間と筆記試験、体力試験を通り司書隊に任命されるために王に他の同期とともに王に謁見するはずだったのだ。しかし王から言い渡されたのは司書隊に新たに設立された任務内容が極秘の第零小隊への配属であった。そして今、第零小隊に初の任務が言い渡される。その為に集まるはずなのだが、本来小隊をどこかへ派遣するには宿舎横の会議棟に集まるのが恒例のはずなのだが。

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