早くお風呂に入ってきなさい
「、、もう、疲れちゃった。お風呂入るね」
なんだか、、 飽きてきた。
どんなに誘っても、ノマドはあたしを満足させてはくれない(性的に)。
ひとこと言ってプイッと立ち上がったあたしは、乱れた服をなおし、バスルームへ入っていった。
カメラを構えてベッドの周りを這いずり回ってたノマドは、突然の出来事にあっけにとられて、返事もできないでいる。
お湯が溜まる間に、アンジェリックプリティのワンピースのしわを伸ばして、ハンガーに吊るす。そういえば、急なお泊りなので、替えの下着とか持ってきてない。スキンケアとかは備えつけのコスメでできるとしても、一度脱いだショーツをまた履きたくはないし、、、
今日はノーパンで寝るってことかぁ。
ぬるめのお湯を張ったバスタブにからだを沈め、あたしは石鹸を手に取った。
綺麗な泡の軌跡を残しながら、腕から肩、首すじへと、石鹸が肌の上を這っていく。
つるつると官能的な感触。
おっぱいは円を描くように揉みながら洗い、おなかから下半身へと、泡まみれの指を滑らせる。
あ、、、
ちょっと濡れちゃってるかな。
ノマドのエロい視線を感じながら、あれだけセクシィなポーズをとってたんだから、当たり前か。
もしかして、風呂上がりの色っぽい姿を見せたら、がまんできなくて襲われちゃうかも。
そんなことを妄想し、大事な部分は丁寧に洗っておく。
「お待たせ。ノマドさんもお風呂入ったら?」
ピンク色に上気した湯上がりの肌にバスタオルを巻いただけの姿で、あたしはバスルームを出る。
ソファで手持ち無沙汰にカメラをいじってたノマドは、その姿を見て驚いたように目を丸くしながら応えた。
「えっ、あ、ああ、、 そうだな」
「ノマドさん。今日はありがと」
「い、いや、、 麗奈ちゃんに喜んでもらえたなら、うっ、嬉しいよ」
「ふふ。。。 麗奈、満足よ」
「そっ、そう、、、?」
「もっと満足、させてほしいな」
「、、、、、、、、」
目が泳いでる。。。
バスタオルからはみ出そうな胸やお尻をチラチラと盗み見ながら、ノマドはそわそわしてる。
そりゃ、、、
このバスタオルをちょっと引っ張るだけで、プルンとした大きなおっぱいがこぼれだしてしまうんだもの。
興奮するわよね。
腰をくねらせながら、あたしはノマドの目の前に立った。
膝に手を置き、前かがみになったあたしは、覗き込むようにノマドの顔を見てささやく。
「早くお風呂。入ってきて。待ってるから」
つやつやに光った胸のふくらみから、モワンと湯気が立ち上がり、ノマドの顔を撫でる。
真っ赤になったノマドは、あたふたと立ち上がった。
「じ、じゃあ、入ってくるよ」
そう言い残し、早足でバスルームへと飛び込む。
“ザバザババシャバシャ”と、カラスの行水のようにあわただしくシャワーを浴びたノマドは、バスローブを纏ってバスルームから出てきた。
「夜も遅いし、、 もう寝よっか」
『どうしていいかわからない』という様子で突っ立ってるノマドに、スペースを空けるように、ソファに座っていたあたしは、おしりを少しだけずらした。
「いっ、いや〜。麗奈ちゃんの入ったお風呂に入れるなんて、ラッキーだな〜。
麗奈ちゃんのいい香りがバスルームに残ってて、まるでいっしょに入ってるみたいだったよ」
「…」
「あっ。心配しなくていいよ。バスタブに残ってた麗奈ちゃんのヘア、舐めたりなんかしてないからね」
「…」
「どんなシーンでも、レイヤーさんには紳士にふるまうのが、ぼくのモットーなんだから。あ、はははは、、、」
「…」
「こういう時って、やっぱり男はソファだよな。ぼくがそこに寝るから、麗奈ちゃんはベッドルームを使ってよ」
「…そう」
「夜中にこっそり入ってきて写真撮ったりとか、脱がしたりとか、エッチなこととかしないから、安心して眠るといいよ」
「…」
「じゃあ麗奈ちゃんおやすみ。いい夢を。うふ♪」
「…」
、、、この男。
バカなの?
ってか、それってあんたの願望でしょ。
せっかくあたしがセッティングしてあげたっていうのに、そんな空気も読めないで、欲望をぶつける勇気もなくて、紳士気取りなんて。
あんた、ほんとにオチンチンついてんの?!
つづく
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