聖也とイブ
勝利だギューちゃん
第1話
冬になると、夜空にオリオン座が浮かび上がる。
おそらく、殆どの方がそれだとわかる、数少ない星座だろう。
ラジオでは、「みんなでオリオン座にお祈りしましょう」と、
呼びかけるDJも、いるくらいだ。
昔、ロッテの愛称は、オリオンズだったが、ここから取ったのは間違いない。
クリスマスも近づくと、各地でイベントが行われ、
イルミテーションが、照れされる。
家族連れや、カップルなどで、賑わう。
ぼっちの、僕には関係ないが・・・
(今年もひとりだな・・・)
そして、12月24日
ケーキ屋で注文していたケーキを買い、ケン○ッキーで、フライドチキンを買う。
シャンパンは・・・惨めすぐるのでやめた。
(ひとりでパーティーだ)
そう言って、足早に家路に着く。
僕は、アパートで独り暮らしをしている。
アパートのひとたちとは、比較的良好な関係にある。
よく、ご馳走になったり、おすそわけをしたりしている。
しかし、今日は家族や恋人たちと過ごしたいだろう。
首を突っ込むのは、ヤボだ。
僕は、自宅の鍵をあけ、部屋に入り、灯りを付ける。
自慢じゃないが、きれい好きなので、それなりに整理整頓されている。
なので、広く感じる。
こたつの上に、買ってきたフライドチキンを置く。
ごはんは炊いてある。
ケーキは、食後でいいや・・・
そして、食べようとした時、玄関のベルが鳴った。
「はーい」
「すいません。宅配便です。ハンコお願します」
宅配便、僕は何も注文していないはずだが・・・
実家からかな?
「今行きまーす」
そうやって玄関を開けた。
突然、クラッカーが鳴った。
「メリークリスマス」
な・・・なんだ?
そこには、クラスメイトの女子がいた。
「聖也くん、メリークリスマス」
サンタさんのコスプレをしている。
「イブさん、どうして?」
「聖也くん、1人でしょ?」
「ああ」
余計な御世話だ。
「私が、一緒に過ごしてあげる」
「だからどうして?そんな仲では・・・」
「もう、鈍いな。女の子に言わせないの」
冷え込んできた。風邪をひかせてもまずい。
僕は、イブさんを家に入れた。
「これが、日本のクリスマスなんだね」
「そういえば、イブさんはオーストラリアからの、帰国子女だったね」
「うん、日本のクリスマスは初めてかな」
イブさんの目は輝いていた。
「でも、どうしてここに?」
「さっきも言ったでしょ、女の子に言わせないの」
「わかった。素敵な夜にしよう」
「うん、私たちの名前と同じだね」
似た者同士は、引き寄せ会う。
聖也とイブ。
必然として、出会ったのかもしれない。
いいよね・・・今日だけは・・・
聖也とイブ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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