魔法少女リバース

余記

第1話 真夜中の訪問者

良い子は眠る深夜の街で、リンちゃんはこっそりと外を見張っていました。

サンタさんをひとめ、見てみたかったのです。


「この一年、いい子だったから今日くらいだいじょうぶだよね?」


ベッドには、自分の身代わりにピカりん人形を入れて、傍目はためにはリンちゃんは眠っているように見えるはずです。

そして、窓際の机の影に毛布をかぶって、窓から夜空を眺めていたのでした。


「わぁ・・・」

寒いと思ったら、空から白いものが、街灯に照らされてひらひらと舞い降りてきました。

でも、ちょっと待って?

よくよく見てみると、白いものの中に・・・ひときわ白い大きな塊が混じっているのです。


「なんだろう?・・・」

その大きな塊はふわりふわりと漂いながらこちらに向かって降りてきます。

窓にぶつかりそうになったので慌てて窓をあけたら、ふわり、と部屋の中に降りてきます。


ぱさり。

かすかな音をたてて、その白い塊はお部屋の絨毯の上へと降り立ちました。

明らかに、雪とは違う質感です。


リンちゃんは、恐る恐るその塊に触れてみました。


「ふわふわ?」

そう。その塊は毛糸でできているかのようにふわふわとしていたのです。

リンちゃんは思い切って、抱いてみようとしました。

しかし、思いっきり抱きつこうとしたその時、その毛玉はふわり、と浮かびました。


驚いているリンちゃんの目の前で、ぱちくり、と宝石のような目玉が現れました。

そして、言ったのです。

「ボクと契約して、魔法少女になってよ!」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る