ふいに懐かしい名前で呼ばれたくなっちゃって
入籍前のある夜においしい肉と酒飲み放題に行ったのだが、とてもいい感じに酔っぱらった私は普段は言わないようなことを言い出した。
「ほら! もう○○さん(私の旧姓)は来週にはいなくなっちゃうんだぞ(名字が変わるからね)! ○○先輩って呼べよ!!!」
「もういままでさんざん呼んだよ!!」
「えーーーそんなそこまで呼ばれてな……いや……そっか……きみにとってはな……呼んだな……そもそもひとのことを認識して呼ぶのが苦手なきみが……そっか……そうだな……呼んでたな……あのくらいの少ない回数であってもきみにとってはさんざん呼んでたんだものな……うん……そっか……」
妙にしんみりしてしまった私は(繰り返しますが単に酔っ払いです)、じゃあ後日でいいよ、でも入籍したらもう言えなくなるからそれまでに呼んでね? と言っておいた。
そして、入籍後。
「あっ、○○先輩って呼ばれないで名字変わっちゃったじゃん!? ほらきみが呼ばないから!」
「元○○さん! どうも!」
「そっか、元をつければ一生言えるか……っていうか先輩って呼んで先輩って! きみの先輩だよ!? 忘れちゃったの○○先輩を!??」
「どうも元○○さんどうも!」
……なんかこれからしばらくはその響きが聞けなさそう。いずれまた聞いてやる。言わせてやる!!
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