別れ・・・新たな出会い

勝利だギューちゃん

第1話

「ごめんなさい。他に好きな人が出来ました。

私と別れて下さい」

付き合っていた彼女から、別れを告げられた。

驚きはしなかった。最初から想定内だったからだ。


「わかった。短い間だったけど、ありがとう。

その好きになった人とお幸せに」

そう元カノに告げた。

「それだけ?」

「ああ」

「・・・わかった・・・さよなら」

そういって、元カノは去って行った。


別れを告げられると言うのは、僕に魅力がなかったということだ。

あの人に非はない。


魅力のある人間になろう。

そして、あの人を後悔させよう。

「別れなければよかった」と・・・


それから、十数年後、僕は漫画家になった。

当たり前だが、簡単になれる仕事ではない。

でも、僕はあきらめなかった。


「魅力ある人間になるんだ」

そう考えた時、僕には漫画しか残らなかった。


なので、必死にがんばった。


そして、時間はかかったが、デビューができた。

それからも、甘くはなかったが、僕は運がよかった。


そして、自作が初めてのアニメ化となった。

僕は喜んだ。


もう、あの人の事はどうでもよかった。


そして、今日は演じてくれる声優さんと、対面する日だ。

小さい頃から見ていたアニメの声優さんと会えるのが、楽しみだった。

完全に、素人に戻ったいた。


そして、声優さんと挨拶をして、少しだけ指示を出させていただいた。

そして、ヒロインのひとりを演じてくれる声優さんの前に来た時、

僕は、固まった。


かつて、一度は愛したことのある女性がそこにいた。

「お久しぶりです」

女性声優さんが声をかけてきた。


「久しぶりです」

僕は返事をした。


「私、先生の生み出したこの女の子に、命をかけて演じます。

見守っていてください」

「はい。よろしくお願いします」


その女性声優さん、かつての恋人が言う。

「私も、デビュー作なんです。あなたの後を追い、ようやく追いつけました」


こうして、違う形で再会を果たした。

プライベートがどうなのかは、首はつっこまない。


このヒロインは、死んでもらうつもりだったが、やめておこう。


少なくとも、アニメが終わるまでは・・・

これまで以上にがんばらないと・・・

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別れ・・・新たな出会い 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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