第159話 トイレが詰まった!?

「誰かいる! 絶対誰か住んでいる」

驚きと諦め顔で夫に伝える。


ずっとコポコポが止まらない。

便器の底からコポコポ。時々ボコッ。


トイレが詰まった? のは金曜日の夜。

コポっの音がして嫌な予感のデバネズミ。

恐る恐る水を流すと、便器満タン手前。


プチパニックになり、すっぽん開始。

別名っていう道具で排水口すっぽん。


何度やっても解消されずに、夜11時。

家にあるのはパイプ◯ニシュ。投入。

一時間待ってすっぽん、スッポン。


寒い。眠い。泣きたい。

流せば溢れそうな水に怯えるデバネズミ。


早く直さなきゃ夜中トイレに困る熟年夫婦。


夫もすっぽん。私もすっぽん。ダブルすっぽん。

変わらない現実に諦めて寝たのは深夜一時。


翌朝、相変わらずポコポコいってる便器を睨み

私は歩いて八分の駅トイレに行った。遠い。


「重曹とクエン酸買ってくる」

詰まった物を溶かせばいいのだと夫が出かける。


私はYouTubeで見た方法を試しまくる。

ペットボトルの底を切って、スッポン。

ラップを張って心臓マッサージのように押す。


もう、またトイレに行きたくなった。

目の前にあるんですけど! 怒

歩いて三分のスーパーで借りる。

アイス食べたい。コーラ飲みたい。

けど我慢。膀胱に客を入れてはダメ。


重曹とクエン酸投入して一時間。

スッポン、スッポン。解消されない。


「ずっとポコポコしてるよ。時々空気が!

もしかしてパイプにヘビとか住んでるのかな?」


沼地に出来たアパートだ。

以前、隣りの棟では本当に蛇が出たらしい。


怖いんですけど。怖いんですけど。

あっ、またトイレ行きたくなった。


歩いて二分のコンビニで借りよう。

なんか恥ずかしいけど背に腹はかえられない。

最後の砦。

コンビニへお財布持って行くデバネズミ。

おにぎりとかサンドイッチ買えばいいね。


あれは何? 見たことのない車。

高圧洗浄車って何? 

水浸しのアパート駐車場。

マンホールの蓋、開いてるよ! 

なぜ?


もしかして? もしかすると!


コンビニに行かずにUターンしてトイレ直行。

夫と洗浄レバーを……。

勢いよく流れる。流れる、流れる。

夫と抱き合って歓喜の舞!


けど、先に言ってよ! 教えて下さい。

いつからなの? 何をしたの?


寝不足とスッポンの筋肉痛。

蛇に怯えて過ごした時間を返して。


でも、いいんです。

いい事思いついた。

ホラーのネタみぃ〜つけた。


カクヨム、コム、カクヨムコム、

違う、カクヨムコンの短編ホラー。


トイレ🚽小道具にしよう!






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