第129話 ありがたい

「これからの就業体制について話があります」

コロナの影響なのか、以前からの計画なのか仕事変更の話があった。


スーパーにテナントとして入っているが今年12月に撤退する事。

働く時間も今まで通りのシフトは無くなる事。

全員の希望通りにはならない事。


夕方5時から8時の3時間パートではなくなるデバネズミ。

家族会議。夫と娘に負担をかけないシフトを選び、協力要請もする。


朝9時から午後1時までか、朝10時から夜7時までのどちらかを選択

しなくてはいけない。勤務地も変わる。


しかも朝10時から夜7時を選ぶと他店にも行かなければいけない条件付き。

自分専用の車がない。夫の扶養の範囲で年103万円も超えてはいけない。

いっそ扶養から出て車を買って働く。夫に却下された。


「すいません、朝9時から午後1時までの方でお願いします」

「このシフトの希望者が多くて給料は今より減りますがいいですか?」

聞いてないよ、いやいや、103万ギリギリまで働きたいデバネズミ。


迷う、悩む。コロナの馬鹿。もう減っても仕方ないね。諦める。


蓋を開けたら……。雇用契約書を渡された中を確認すると……。

「昼12 時から夜7時まで、他店に行く必要も無し。年103万まで稼げるようにシフトを作ります。あなただけ特別です。頑張って下さい!」上司の言葉に感謝。


ただのパートです。もし他のパートさんに妬まれたり文句言われたら?


「その時は……私があなたを守ってあげます!」

泣き。嬉しくて安心して上司の言葉に泣きました。涙は出てない。ごめん。


ありがたい。わがままデバネズミ。会社の為に頑張ります!


「3時間以上働いてないから、体慣れさせる為に次のシフト変更してます」


ガビーん!昭和の落ち込み。

明日から三連チャン、11時から夜8時まで働きます。世の中厳しい。

けど頑張ります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る