第84話 消費税とキャッシュレス
「次、これで合ってるか確認して」
「はい。貸借対照表は大丈夫でした」
パソコンで入力した資料を確認する。
30年以上前の経理課の決算の仕事。
ソロバンはじいて確認する。
アナログすぎる仕事に辟易する私。
消費税導入でレジも頭もパニック。
仕事が2倍に増える。毎日残業だった。
全てが外税扱いのため、「消費税」の
項目が増えてしまうのだ。
3パーセントがめんどくさい。
「4126円の3%は……電卓貸して」
暗算が出来ない。イラつきながら計算し
パソコンに打ち込む。
「もう、消費税導入したの誰?腹立つ!」
「消費税のはんこ持ってる人、貸して」
勘定科目は全てはんこだった。
「10月1日から当店も電子マネーとクレジット
ご利用できますので、どうぞ」
ついに現金オンリーのクリーニング屋も
キャッシュレス歓迎。
消費税も10パーセントにレジ設定。
ぐだくだ、イライラ、字が小さい。
老眼なんですけどね。おまけに指が太くて
どの数字押してるのか分からなくなる。
「キャッシュレスってめんどくさい!」
レジを締めて、日報を記入する。
それから日報の数字を端末機で送信。
お金計算して、電子マネーとクレジットの
控えを確認して……仕事が倍になる。(怒)
「何故に返金は8パーセント?」
8%と10%、何でごちゃごちゃやねん。
イラつきMAXのデバネズミ。
お金をチャージする手間も面倒だし、
カードばかりで、お札がない財布って
年配の方は不安だろうな。
あっ、私もそうか。小銭しか入ってない。
「とりあえず、野口英世の捜索願い出さなきゃ」
渋沢栄一さん、津田梅子さん、北里柴三郎さん
顔を覚えられるか心配なデバネズミ。
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