「投げれるじゃない、投げられるって言いなさい！」

　高校時代、男子ソフトボール部のマネージャー

　をしていた。部活顧問は国語の先生だった。

「ドンマイ、もう一球投げれる？」

「だから、投げられるって言いなさい！」

　試合中でも、キャッチャーにダメ出し。

　スコアをつける手が笑えて震える私。

　先生、勝ち負けより言葉が気になるんだ。

「あつあつのソースをかけて頂く」

　レシピ通りに料理を作る。

　最後のこのフレーズが気になるデバネズミ。

「あつあつを頂くって、火を使ったんだから当たり前やん。

　私冷めてから食べるんですけどっ」

　気になる言葉は必ずしも好きではない。

「来週につづけよ」

　気になるわぁ。何に、誰に対して？命令？

　土曜日の朝はもやっとする。私だけ？

「れる、られる」にこだわる先生の

　国語の授業を受けたからかな。

　気になる言葉が増える幸年期。

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