第67話 たれぱんだ
「なんか見たことのある顔だけど思い出せない」
鏡にうつるその姿に懐かしさを覚える。
「ねぇ、何かに似ていない?」
「それより早くパジャマ着てよ」
お風呂上がりの娘との会話。
パンツ一丁を怒られるデバネズミ。
今年は暑い。暑すぎる。
猛暑だ。酷暑だ。殺人的な夏だ。
「誕生日が命日になりそうだ」
ケーキを食べながら呟く夫。
笑えない冗談だ。
「早く水分とって。麦茶飲んでね」
熱中症で死なれたら困る。
パンツ一丁で手渡すデバネズミ。
「ふたりとも早くパジャマ着てよ」
夫も怒られる。暑くて着られないんだよ。
エアコンのない子供時代。
打ち水 扇風機 すいか うちわ かき氷
それだけで、涼をとるよき時代。
「なんか胸、たれぱんだに似てない?」
「そうだ、それそれ!思い出した。ありがとう」
おっぱい持ち上げ、タオルでふくデバネズミ。
夏のおばあちゃんの定番拭きだ。
懐かしさを覚えたのはこれだ!
冷たい視線の娘の横で
笑う裸族の夫とデバネズミ。
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