第21話 携帯電話

ついに、夫の父親も携帯電話を購入。

このご時世、携帯電話を持っていないのは

私だけである。

「お母さんがケータイないと不便」

「出来ればすぐに連絡とれるようにしてほしい」

家族からも仕事場でも持つように催促。


その度に首を強情に横に振るデバネズミ。

Android一つで大丈夫。

これはWi-Fiのある自宅でしか繋がらない。

もちろんメールが出来るから用は足りる。


携帯電話持つとパート先から急な出勤要請

があるだろう。

夫や娘からも雑用頼まれそう。

 

ある意味自己中のデバネズミ。

家電も呼び出し音ならない設定にし、留守電。

赤いランプが付けばメッセージを聞いて、

気が向けばかけ直す。


しかし、Faxについては考えが甘かった。

「Faxが届いてます。インサツシテクダサイ」

電話のディスプレイにメッセージ。


印刷するまで誰か分からない。

またあの病院だ。近くの総合病院宛のFaxだ。

患者さんの処方箋の確認の為、薬局からだ。


「間違えて個人宅に届きました。破棄します」

何度電話してこのやり取りしただろう。

保健証のコピーや、薬の情報が書いてある。

個人情報保護法もあったもんじゃない。

悪用されても知りませんよ。


もう一件、近くの会社宛のfaxが家に届く。

派遣社員の給料明細だの、発注書だ。

「間違えて個人宅に届きました」

発信元を確認して電話をかけるデバネズミ。


「すいませんが、それをあなたの家から送信

してください。お手数かけます」


お手数よりもお金がかかりますけど。


小心者は言われた通りにfaxする。

そして、ちゃんと届いたか電話して確認。


「今日中に部品送って下さいね」

その注文書を読み上げて発注確認。

「はい、分かりました。今日中に送ります」


相手は私を事務員だと思っている。

説明するのも面倒でこのやり取り二回経験。


家電やめて、携帯電話にしようかな。


間違いfaxの中継ぎは案外めんどくさい。

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