第6局 将棋星人襲来篇
第79手 インデペンデンス・デイな世界
あの戦いから半月以上がたった。俺らが恐れていた将棋星人とやらも一向に姿を見せる気配が無い。このまま現れなければいいのにと思っていたが、その日は突然やって来た。
現在、まだ将棋を続けることを諦めていない僅かなプロ棋士達は、将棋会館の跡地を手作業ながらも、地道に復興へ向けて努力を続けていた。
最初は、果てしないぐらいのコンクリートの残骸の山であったが、ようやくほぼ全てが片付いた。何も無い、真っさらな土地だ。
ここに再び新たな将棋会館を建てることが俺らの目標だ。
俺のバカ兄貴が東京を無茶苦茶にして以降、都心からはどんどん人の気配が無くなっていった。治安も益々悪くなり、中には俺らのことをプロ棋士とも知らずに襲ってくる輩もかなり増えたように思える。
これは、AIに頼りっぱなしだった俺らへの天罰なのだろうか?
そんなネガティブなことさえ思い始めていた。
「なんだ? あれは?」
ちょうど俺らが昼食に、
それを見た俺は、何故か不思議と平常心であった。
ついに将棋星人が来たのか…。
その姿はどんなんだろうと、呑気に想像を膨らませていた。
「おい…あれって?」
「てか、アレがこのまま地面に降って来るのか? 俺ら死ぬんじゃねぇか?」
どう見ても俺らがいる将棋会館跡地に向かって落下して来ている。隕石みたいなものだ。
しかも大きさは直径50メートルはあるんじゃないか!?
着実に地面へと近づいて来ている。
死んだかも。
ちょっと諦めかけた時だった。謎の球体は、東京スカイツリーver.3ぐらいの高さで見事に停止した。
間近に迫って、初めて何か背筋が寒くなる物を感じた。
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