第13話 村人を作ろう
「それで主様。本日は何をお作りになるのでしょうか?」
「ちょっとー、なんでアンタがそんなことご主人様に聞くのよ?」
「そうは言われましても私は主様の補佐として生み出された人物ですので、主様が今後の創生の手助けとなるべくアドバイスをするのが執事が役割です」
そう言ってケルちゃんにお辞儀をする執事。
ああ、そういえば頭脳的人物も一緒に欲しいと作ったんだった。
けど、これは助かる。オレとしても今後の創作でアドバイスをくれる人がいた方が方針もまとまりやすい。
「それじゃあ、早速だけど……えーと、セバスチャンでいいかな?」
「はい、構いませんよ。主様」
「じゃあ、セバスチャン。次に何を作るべきかな?」
「そうですね……」
一瞬悩む素振りを見せるセバスチャンだが、すぐに隣にある村を見る。
「やはりまずは村人を作るのが先決かと。村があのまま無人というのは寂しいですし、なにより主様がなすべきはこの世の創世。ならば、主様に従うべき民を創造するのは当然かと。それに領民がいれば、今後彼らによって稲作をはじめとした牧畜など様々な生産が可能となります。その第一歩としてもやはり村人の創生は欠かせないでしょう」
「なるほど」
確かにその通りだ。
というか、村人がいればオレ一人では出来なかった、そういう牧畜とかも任せられるわけで、もっと早くに作っておいてもよかったはず。
セバスチャンの言うとおり、まず作るべきは人であったなと思いつつ、早速財布から10円玉を取り出そうとするが、それをセバスチャンが止める。
「お待ちください、主様。村人の創生であれば1円玉で大丈夫です」
「え、そうなの?」
「はい。通常であればその場所を作ったと同じ金額での創造でその規模にあった村人や街人を作れるはずです。見たところあの村は一円規模だと推察致しました。であれば、なるべく無駄な消費は抑え、同じ金額での創造でよろしいかと」
なるほど、確かにその通りだ。
最近は聖剣しかり、ケルちゃんなどで結構消費したのだから、今後は少しずつ抑えないと。
まだまだこの地域事態の創生も終わってないことだし。
オレは頷くと同時に一円玉を取り出し、それを村の方向へと投げる。
すると村が輝いたと思うと、そこに先程まではいなかったはずの人影が見えた。
オレは早速、セルちゃんやセバスを連れて村へ近づく。
すると村人らしき人達がおり、オレ達が近づくとそれに気づき声をかけてくる。
「あ、領主様だ!」
「領主様、はじめましてー!」
「領主様ー!」
り、領主? オレが?
戸惑うオレに対し、村人達は親しみを込めて声をかけてくる。
村人の数はざっと五十人くらいであろうか。
若い人達が多く、男と女の数は半々。よく見れば子供も何人か混ざっている。
とりあえず、彼らとコミュニケーションを取るべく、オレは話し始める。
「えっと、とりあえずはじめまして、皆さん。ご存知かどうかは分かりませんが、オレが皆さんを作ったということになるのですが……」
「ええ、勿論。そのことに関しては理解していますよ!」
「我々を生み出して頂き、ありがとうございます。領主様!」
「我々村人は領主様の望むとおり、これから生きていくつもりです!」
「農業や牧畜などは我々にお任せ下さい。勿論、税も領主様のお望みのとおり提供するつもりです」
と、早速事態を理解しているのか、そう言ってくれる。
なるほど。ケルちゃんやセバス達もそうだったが、オレが作った人物に関してはちゃんとオレに作られたという自覚があるんだな。
そのおかげというべきか、村人全員もオレに対する信頼度というか忠誠心なんかもマックスのようだ。
「ああ、ありがとう。でも、そういう税とかはおいおいの話にするんで、とりあえず今は皆さんのために用意した家を自由に使ってください」
「この家、我々が使ってよろしいのですか!?」
「勿論ですよ。そのために用意したようなものですし」
なによりせっかくある家を使ってもらわないともったいない。
オレがそう説明すると村人達は大いに喜び、オレへの感謝を口にする。
「それと近くの森と川もオレが作ったものですから、そこから採れる魚や動物も村人の皆さんで食料にしてください」
「なんと……! すでに森や川まで作っていらっしゃったとは。了解いたしました! 我々村人も領主様に負けないよう、この村を発展させますので!」
「ええ、楽しみにしていますよ」
村人達の熱意にオレは笑顔で答えた。
残り通貨:12520円
【創造物】
豪邸×1
村×1
野菜畑×1
りんごの樹×1
魚達がいる川×1
動物達の森×1
聖剣×1
ケルベロス×1
執事×1
メイド×9
塔×6
村人×50
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