仲直りへの一歩
わたしって愛されてなかったのかな?……。
あのケンカでそれを悲しいくらいに実感した。
誰一人として頑張っても誉めてはくれない。いくら頑張っても親には「まだ頑張ったなんて言えない。」とか祐太たちには、「その程度か。」って言われるし、奈央に里沙だって「まだまだだね。」って言われるし、結局わたしは認められてないんだ。
そして愛されてない。
愛されてるならあんな酷いことは言わない。
わたしは友里亜さんに全てを語った。
「なんでそう思うの?本当に貴女のことがどうでも良かったら助けないと思うけど?」
そうかな?あんな場所で死なれたら迷惑だからなんじゃないの?初めはそう思っていた。けれど、それは間違いだった。
私の渾身のタックルで倒れたゾンビは、再び立ち上がり、私に狙いをさだめて襲い掛かった。わたしはとっさに大鎌でヤツをわ切りつけた。
技量は素人並みの私だけど、なんとかヤツの首は切り落とせたみたいだ。
「明日美、あなた、なんで?」
お母さんが驚いた様子で言った。
「決まってるでしょ?大事な人だからでしょ。」
「みんな、ごめんね。助けてもらったのにあんなひどいこと言っちゃって。」
どういうわけかすらすらと謝罪の言葉が出てくる。
本来の自分はこんなに素直じゃないはずなのに。
「いいよ、こっちこそごめんね。」
奈央に里沙、あなたは謝る必要ないよ……。
「俺の方こそごめんな。」
「僕の方こそごめんね。」
「すまなかった。」
「すまない、明日美殿。」
四人まで謝ってくれる。
「いいよ、悪いのはわたしだもの。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます