第4-3話 基礎を固めてみる(後編)

森を抜けるまで特に何もなく無事に街道に出れた。

しかし、そこで問題が起きた。

何と荷馬車が10人はいるであろう盗賊(?)に襲われていたのだ。

ここは助けるべきなのだろうが、10対1なんて勝てるわけがない。

現実なんてそんなものだ。

ゴブリン一匹を奇襲するのに手いっぱいなルーキーがいきなり10人の盗賊を相手にして勝てるとでも?

HAHAHA!御冗談を。’普通’ならただ負けて奴隷にされるだけですよ。

ここは見つからないようにそーっと逃げ…

-パキッ

「あ」


小枝を踏んだだけならまだマシだったのだが、つい声まで出てしまった。

まぁ、なにかと距離あるし?相当な地獄耳でないと気づかれないよね。


「ん?いまなんかガキの声が聞こえなかったか?」


盗賊Aが気づいた。するとリーダーらしき人物がABCに何かを言った。

良く聞こえなかったが多分見てこいと指示したのだろう。

何と余計なことをしてくれたんだ頭領よ。

これはもう戦闘ルートしかないじゃないか。

こちとら可笑しいステータスの伸びしとんじゃコラ。

勝てなかったら恥ずかしいだろ。

大剣がさっきよりも軽く感じるし三人でも行ける気がしてきた。

さっき現実といったが、地球と異世界ではまるで意味が違うのだ。

思う存分抵抗してみよう。こちらは木の大剣だ。打撃で気絶を狙えばいいだけの話。

そうと決まったら話は早い。

一回、草むらに隠れて盗賊が近づいてきたら奇襲して戦闘開始だ。

そこまで身長が低いわけでもないので50㎝ほどまで近づかれたらさすがにばれる。

今回はそのバレる瞬間に発生する動揺を狙ってドカンと一発してやろうと思っている。


A「おかしいな、確かにここらへんで声がしたんだが」


B「聞き間違いじゃないのか?」


C「こんなところにガキなんて普通いないだろ」


意外と気づいてくれないものだ。今自分は、Aの足元の草むらでスタンバっているのだが。大剣が結構はみ出てるんだけどな~。

もう襲っちゃえ!

そう決めた俺はしっかりと大剣を握り、Aの股間に斬り上げをした。

ブチュッと玉か棒かがつぶれたのがしっかりとわかった。

Aはうめき声をあげることすらなく倒れた。まずは一人。

ここで、俺の存在がばれたので比較的近かったBに薙ぎ払いをした。

首にヒットした。特にこれといった感触はないので殺すことはなく、少し安心した。

もちろんCは何か言うだろう。

「なっなんだこのガキ!どこから出てきやがった!?」


「あっしもっとでーす☆」


あの女神のテンションの高さを真似してみた。ウザさがなく、ただかわいい。

さすが俺である。

第三者から見たら恐怖でしかないだろうが。


「よくm「言わせないよっ☆」」


Cは身長が低めだったので頭突きの後、眩んだ所におなかに肘鉄を食らわす。

追い打ちでお腹に膝蹴りを食らわせれば、気絶した。

初めての体術(?)だったがうまく動けたようだ。

でも、よく考えたらステータスのわからない相手によく挑もうとしたものだ。

もしも相手のステータスが高かったら普通に負けてたかもしれない。

今回は転生したばっかで浮かれていたが、これからは冷静に判断したうえで戦闘しよう。そう思った今日このころ。

すると荷馬車の方で激しい音が聞こえた。まるで誰かが戦っているような。

少しのぞいてみたら騎士みたいな人たちが盗賊を制圧していた。

残るは頭領だけだが制圧法が少しあれだった。

なんというか、剣で容赦なく斬っているように見える。

盗賊たちに生きている様子はない。血がどくどく出ているので明らかにわかる。

死んでなかったとしても、持って数分だろう。

このやり方に少し嫌な感じがしたが、勝てるわけないのでほおっておくことにした。

因みにABCは、三人纏めてロープで縛っておいた。

Aがショック死してないといいのだが。

あと、ロープは創造で作りました。


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