異物な自由(本編)

白ノ宮

第1話 前置きもどき

男性の諸君、一度は少女や幼女になりたいと思ったことはないだろうか。


俺はある。小柄な美少女になってみたい。


自分的に小柄な美少女はこの世界の真理ともいえる存在なのだ。


「あーいちどでも良いから小柄な美少女になってみたいなぁ」


考えていることの一部が口から漏れ出てしまう。ちなみに今俺がいる場所は人通りが多い道。もう少し詳しく言えば朝八時頃の高校の校門前である。


まぁ、存在感があまりない俺がいきなり独り言を言ってもそこまで気にすることではないのだが。


そんな俺は雛形学院高等学校に通う2年の交照利蒼(こうしょう りそう)という。


成績は平均より少し悪めだし、悲しいことに何か突出した才能があるわけではない。


部活は二次元同好会に所属、そこで副会長をしている。


心の中でそんな自己紹介をしていると、教室に到着する。


席に着席してから寝て暇をつぶそうとしていると、一人の女子生徒が話しかけてくる。


「おっはよ~利蒼きゅん♪今日も元気そうで何よりだよ~」


俺のどこを見て元気そうだと判断しているのかいささか謎であるが、彼女は一年の時に部活で知り合っていまでは二次元同好会会長をしている黒川信濃(くろかわしなの)である。

黒髪ロングでスカート丈も規則通りだが、それに見合わぬこの騒がしさだ。黙っていれば容姿端麗の大和撫子なのにあからさまな人格設定ミスである。


成績の方は俺と似たようなものなのでそこまで人気があるわけではない。


そんな彼女と他愛のない会話をしていると担任の教師が教室に入ってきて、HRを始める。

そして一限から四限まで授業をやって昼休み、黒川と昼食をとる。


五限から六限までの授業の後HRといったごく普通の学生生活をすごしていた。


そして帰宅しました現在午後の三時二十五分を回っております。


特にやることもないので宿題を終わらせて昼寝をする。


ベッドに寝転がり、スマホにイヤホンをつないで立体音響の耳かきボイスを再生すると意識は自然と落ちていく。

はずなのだが、何故か次の瞬間には白く眩い空間が目に映り聞いたことのない女性の声がしたのだった。


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関係ないけど作者のクソ作品情報

ノベルバにてキャラのブレが激しい主人公が金の力で無双する「異世界日誌」公開中です。

異物な自由も近日中に更新しますね。

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