第5話 道路管制センター
全国に道路網が張り巡らされた道路網のすべての道路を、車が自由に走り回ることのできた時代というのがあったらしい。
市街地を始めたして半分くらいの道路は今でもそうだけれども、もう半分の道路の交通はRTC、
村の道路はセンダイRTCの管制範囲外だが、広域道路48号線へ合流してからセンダイの街へ向かう道路はすべてセンダイRTCの管制圏内になる。
RTC管制下の道路はもちろん自動運転支援システムが整備されたスマートロードだけれども、渋滞を避けて道路の効率的な利用のため、RTCへ道路使用の申請と許可を受けなければ、道路に入ることができない。
「こちらセンダイRTC ヨシカワ01 おはようございます。」
「センダイRTC おはようございます。AM0700に広域道路48号線へポイントY45近辺侵入し、流れに乗ってセンダイ中央ICまでの運行プランを申請します。」
車のダッシュボードに表示された時刻はまだ6時を過ぎたところ。合流予定時刻まで1時間ほどあるが、これくらい前からセンダイRTCと連絡をとり、運行プランを申請しておいたほうが、実際の合流のときスムーズに行くというのを経験から学んでいる。
「ヨシカワ01 こちらセンダイRTC。了解いたしました。順序は合流ポイントに近づき次第追って連絡します。」
ちなみにスマートロード上からだと、無線による管制官とのやり取りではなく、データ通信で申請ができる。帰りはいつもそうしている。
「センダイRTC ヨシカワ01 了解です。」
無線機のマイクをダッシュボードへ戻すと、運転席のヨシオが大きくあくびをするのが見えた。
「また大学のレポート?」
提出締切ギリギリまで大学の宿題に取り掛からないことをよく知っている。
「そういうヨゾラだってまだ中学の宿題終わってないだろ?」
「学校につくまでには終わるもん。」
不機嫌そうな表情を作り、ヨシオくんに向ける。
こうするとオロオロするのから見てて面白い。
「悪かったよ・・・そろそろいくか」
ヨシオくんの運転で、静かに車が進み出す。
「後続車がちゃんと隊列を組んでるかモニターしてくれ」
窓越しにあと3台の自動運転車がゆっくりと走り出し始めたのを確認して、助手席に設置されているのコンソールの表示を切り替えた。
俯瞰図上に4台の自動運転車を意味するマーカーが表示される。
青いマーカーで表現されたのがこのヨシオくんが運転する自動車、あとの赤いマーカーが他の3台の自動運転車だ。
横並びに駐車されていた4台の自動運転車が一番左側に停められていたこの自動車から順番に発車していき、校門をくぐる頃には縦4台の隊列を形成していることを確認し、そのことをヨシオくんに伝える。
そして通学カバンの中から宿題を取り出した。
2100年未来の旅 ゆーが @yuuga
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