20話目 幼なじみと無意識

「はー、お腹いっぱい。美味しかったね!ピザ!」


おやつ時とも言える時間に遅めの昼食を済ませたわたしはお腹をぽんぽんとしながら満足!と言うように後から着いてくるりょうに笑みを浮かべた。


「美味しかった、けど、さすがに食いすぎたかな...めぐる大丈夫なの?あんなでかいの2枚も食べて」


「うー」と顔をしかめるりょうに「え?全然?」と首をかしげながら答えるも、何だかすごく苦しそうにする彼に少し申し訳なくなり休める場所を探そうと辺りを見回す。


「あ...ねえ、あれ乗ろうよ?」


「え、...あれ?」


りょうはわたしが指さすほうを目で追うと驚いたように思わず聞き返す。


...?りょう苦手だったかな?

なんて思いつつ「苦手なら違うの乗る?」と声をかけると


「いや、苦手なわけじゃないけど...」


とりょうはまた迷ったような声を上げる。

わたしはそんな渋る彼の手を引くと「じゃあ、行こ!」と走り出す。


「え、いや、ちょ...走るのはやめて!」


慌てるりょうが可笑しくてわたしはスピードを上げるのだった。

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