メビウス
満月 兎の助
愛しのヨリコ
見たくない。
キミのこんな姿態、見たくないのに……まばたきすら忘れて見入ってしまう。
「ん……っ、……ねえ、もう……」
彼女がボクを待ってる。早く、と催促する。
──反吐がでる。
「意地悪しないで……もう、来て……」
こういう時の妖艶な微笑みに打ちのめされて。普段の何気ない仕草や横顔が綺麗すぎて。
そのせいでボクの世界は、キミ一色に塗り替えられてしまった。
「ねぇ……名前、呼んで」
普段は勝気なキミが、この時ばかりは濡れた子犬のように情けを乞う。頂きをみる刹那、必ず名を呼んで欲しいと切なげに喘ぐ。
「依子……」
ヨリコ……
「ああっ……!」
キレイなヨリコ。ボクのヨリコ。
憎くて愛おしい、キミは最高の……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます