第310話


「ねえ、ハンドくん。

やっぱり、あの2人ってスゥたちを見下していたね」


〖 さくらのことも見下していましたね 〗


昨日、スゥから「ご主人は明日の『話し合い』に参加しないで下さい」と言われたのだ。


「3人だけで大丈夫?」


「はい。・・・たぶん、シーナが感情をぶちまけると思います。

強い怒気を放つと思うので、ご主人にはツライと思います」


「それに、オレがいたらシーナが気にして感情を吐き出せないんだろ?」


「はい」


〖 主人は出しませんから大丈夫ですよ。

あなたたちも、もし暴走したら止めます。

それまでは気にせず、感情をすべて吐き出しなさい 〗


「はい。ありがとうございます。

明日はよろしくお願いします」


スゥが自分のテントに戻って20分後・・・


「ご主人さま。明日の『話し合い』は参加されるのですか?」


ルーナが『お伺い』に来た。




「ルーナまで『明日は結界から出ないで』って言って来るなんてね」


〖 あの子も少しずつ『成長』を始めたんですよ。

ここでシーナが『胸のつかえ』をすべて吐き出せれば、一歩、前へ進めるでしょうね 〗


「元々、私たちは出る気なかったもんね」


〖 そうですね。これは『あの5人で解決すべき問題』ですからね。

私たちは黙って見守りましょう 〗


「『雨降って地固まる』になるといいね」


〖 何度か時間が掛かるかもしれません。

ですが、この『気持ちをぶつけ合う時間』を繰り返していけば、いい関係になれるでしょうね 〗


そう。これは『傷つけられた側』と『傷つけた側』の話し合い。

さくらたちは部外者だ。



今は精神的に成長し始めたスゥたちが『感情だけで行動しない』と信じて見守るしかなかった。

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