第273話
転生を
わずかに残っていた感情が
そして『きっかけ』は、住んでいた村が魔獣に襲われたことが原因だった。
『前世で生命を奪われた時と似た状況』
襲ったのが『獣化した獣人』か『魔獣』かの違いはあるが、改めて死の恐怖に襲われたのだ。
そばには『あの時』救えなかった小さな
今回、シーナは2人を守って生き抜いた。
・・・今度は3人で生き抜くことが出来たのだ。
「よく頑張ったな」
懐かしい、優しい声。
『大好きだった貴方』の、不器用だけど自分だけに向けられた愛情。
『子供たちは?』
「ああ。5人で協力し合って国を治めている。
まあ、失敗もいくつかしているが・・・特に大きな問題は起こしていない」
『そう・・・良かった』
遺した子供たちが心配だったの。
・・・そして、貴方のことも。
「今度こそ幸せになれ」
『いいえ。
私は貴方と出会ってから幸せだったわ。
だから『今度も』幸せになるわ』
・・・愛していたわ。私の旦那様。
セルヴァンは眠るシーナを見ていた。
今回の騒動の謝罪として、創造神から『最期の別れ』の時間を貰えた。
声だけのやりとり。
それだけでも十分だった。
3人に話された『
それを聞いたスゥは大きな声で泣き出した。
あの襲撃以降、何度も魔獣に襲われて殺される夢を見ていたのだ。
スゥが眠っている時も気配察知と危険察知を起動しているのは、『魔獣の襲撃で殺される』夢を現実にしないためだ。
今、それをしなくなったのは
ルーナは前世ではまだ『生まれる前』だったため、2人のように怖い思いをしていない。
それでも3人の『過去のすべて』を消すことになった。
記憶の消去後。
シーナは3日間眠り続けた。
瘴気がどれだけシーナの身体に負担をかけていたのか・・・
転生を司る神々は、ハンドくんたちの手でさらに『
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