第136話
ハンドくんたちは捕らえられた男がまだ許せないのだろうか。
頭や背中、臀部などを叩き続けている。
男は完全に
引き摺られていく男から離れようとせずハリセン攻撃を止めない。
中にはハリセンではなく靴やスリッパで臀部を叩いているハンドくんたちもいる。
「ハンドくん。それは流石に『やり過ぎ』だろ・・・」
「ヨルク。後で話があります」
ヨルクの耳に『直接』届いたジタンの声に「分かった。あとで行く」と返事をする。
ジタンが『囁き』魔法で話しかけてきたのだ。
そのため近くにいたヒナリやロントたち、セルヴァンの子どもたちにも聞こえていなかった。
その場にいる者たちは、流石に誰もさくらに会わせろとは言わなくなった。
賓客として招待された国で投獄などされたら『母国の恥』だ。
それも投獄理由が『さくら様に無理矢理会おうとした』と知られたら『恥の上塗り』でしかない。
更に『神の結界』に触れて天罰を受けたりしたら、それこそ『一族の恥さらし』になってしまう。
そこまで考えて、仲間と顔を見合わせている者たちもいた。
「・・・この騒ぎはいったい」
声のした方を見ると聖なる乙女たちが立っていた。
「何しに来たんだよ」
ヨルクが不機嫌オーラ全開で睨み付ける。
「あの・・・私たちはジタン様に昨日のお礼を伝えに来たのですが」
乙女たちが近くにいたから空気が少しでも浄化されて、残っている者たちが冷静を取り戻したのだろう。
乙女たちの登場で気持ちは落ち着いたようだが、このまま『何事もなく』すんなり解散するのは許されなかった。
ハンドくんたちがこの場に集まっていた人たちの後頭部をハリセンで一発ずつ叩いていったのだ。
さくら親衛隊も殴られていたし、『神の結界』に手を出そうとした者たちは数発殴られていた。
・・・その中にジタンもいた。
「なんで僕まで叩かれるんですか!」
「この騒動を止められなかったからだろ」
ヨルクの台詞に言葉を詰まらせるジタンだったが【 一緒にいたから『つい』間違えた 】というハンドくんの『自白』に「間違えないで下さいよ・・・」と脱力してしゃがみこむ。
「はぁ・・・。とりあえずマジで『天罰』食らう前に解散しろよ」
行こうぜ、ヒナリ。
そう言ってヨルクは窓から出ていった。
ジタンも乙女たちを連れて応接室へ向かった。
ドリトスの旧友たちやセルヴァンの子どもたちは『見つかって
さくらに会いたいが、その前に『神の結界』があり手を出せば天罰を受けるのは必至だ。
それでも『もしかして』という希望を抱いて残っていた者たちには、ハンドくんたちから『フルスイング・ハリセン攻撃』を
更に親衛隊が
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