第23話




「ハーイ!はうあーゆー?」


超をいくつもつけて花をあしらってBGMにクラッカーを何発も鳴らしたくらいに相手をバカにした口調で、昨日の部屋へと姿を現した。

昨日のドアが現れた時点で分かっていたのだろう。

ニコニコ笑顔で出迎えてくれたドリトスとセルヴァン。

対してたった1日で数十年は経ったかのようなレイソル、マクニカ、アストラム。

神々の抗議・・・というか『脅迫』に精神が負けたんだろう。

この世界に『精神科』ってあるんかな?


『専門に分かれていませんよ』


『治療は『治療師』が回復魔法で治しますから』


おやおや。アリスティアラ以外の神様もチャット参加開始ですか。


じゃあ質問。

それだとオツム関係も治る?


『連中を見たとおり『『『『無理』です!』』』』


気持ちいいくらいズバリと言い切ったね~。

最後はハモったし。


『オツムが治れば性格も治せます』



そりゃそうだ。



「そこの連中は何してるの?生きてるの?死んでるの?ゾンビ化してるの?アストラムは腰にレイピアを差してるから『死霊騎士』もどき?」


私の指摘にも反応が鈍い3人に苦笑するドリトス。

セルヴァンは昨日の気後れが嘘のように、私を抱え込んで肘掛けいすに移動。

今は昨日同様『膝だっこ』状態。

『頭ナデナデ』のオプション付き。

夢心地で胸のモフモフに顔をスリスリしつつ、それでも『本日の用件』は忘れていない。

エラいぞ私!



ドリトスとセルヴァンの話だと、昨日の一件で神殿に沢山の神々から抗議や苦情が殺到したらしい。

中には『魚が一匹も取れないようにしてやるぞ』という脅迫めいたものもあったらしい。


『なーに。魚を大陸の周囲の海流から隣の海流に移してやるだけさ』


『私は動物がオスしか生まれないようにするって言ったわ』


それには『この世界で生きている種族すべて』も含まれている気がしますが?


『この大陸だけよ。他の大陸には影響ないわ。ここの大陸は一度滅びに瀕した方が良いに決まってるじゃない』


まあこのアリステイド大陸の人たちは、他に大陸があるって知らないから、この大陸が滅びたら『この世界の終わり』なんて思いこむわね。


『途中に『魔族の住む大陸』がありますからね。近付こうとしませんよ。もちろんその先へ行こうとも思いません』


『冒険』や『夢』とか見ない連中だな。

某アニメの主役みたいに、夢を持って大海を小舟で・・・


『無謀ですね』


『無茶な奴だな』



そりゃあマンガでアニメですから。




『雲や濃度のある霧で太陽光を塞いで作物を実らせないようにしたら、何年で滅ぶかな~』


・・・それ、伝えたんですか?


『モチロン』


なんて返事するのかな?


『とりあえず今日からこの国は曇天続きにしている』


・・・だから青ざめているのね。



じゃあ、私からも。『浄化対象外』!

3人には浄化がされない魔法をかけてあげた。

気が向いたら解除してあげる。

忘れても『一代限り』にしてあげたから、他の人には影響ないわ。


・・・アラアラ?

3人とも顔色がさらに悪くなった気がするけど?



うん。気のせいだよね。

神様の罰のせいだよね。




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