弐 少女は、世界に希望を抱く


その日、とある地にて、一つの命が誕生した。

その日、とある夫婦の間に、一人の娘が誕生した。

その日、その赤子は大地の祝福を受けた。

その日、その赤子は風の恵みを受けた。

その日、その赤子は水の大籠を授かった——


「スノー…私達の可愛い子…優しい人になりなさい…そして、世界を愛しなさい…」


赤ん坊を優しく抱いた一人の女性は、静かにそう囁いた。

側に立つ、黒い、髪飾りのような“角”。

それを頭から生やした男もまた、優しい微笑みを浮かべる。

青い瞳を持つ赤ん坊はその顔に、小さな、小さな手を伸ばすのだった。





「クレア様…!」


侍女しじょ、サナエ・フミヤが声を荒げた。

そのこめかみからは血を流しており、青い瞳は焦燥の念を露わにしていた。

彼女は一人の女性に駆け寄る。


「サナエ…」


和服を身に纏い、床に倒れこむ一人の女性___その腹部からは大量の血を流しており、側には血で真っ赤に染まった一本の剣が落ちていた。

さらにその下には血溜まりが作られている。


「た、大変…! お待ちください、いま治癒魔法を…!」


サナエの両手が緑色に淡く光り始める。

しかし、それをクレアは手を軽くあげて、やめさせるのだった。


「クレア様…!」


「無駄よ、サナエ…血を流しすぎてしまった…私はもう助からないわ…」


「そんな…!!」


クレアはサナエに優しく微笑むと、両手でずっと、柔らかく抱いていた赤ん坊を差し出した。


「この子を…スノーを、お願い…!」


「お母さん…!」


気付けば、クレアは血で汚れた一人の少女を抱いていた。

少女が涙を零しながら母であるクレアに心配そうな声を漏らす。


血だらけではあるが、その体には一切の傷が無いように見える少女の身体。

それにサナエはある事に気付いたのだった。


「クレア様、まさか…!」



スノー様の傷を癒すために、止血が遅れた…!?



「サナエ…その子を連れて、逃げて、早く…!」


「なりません、クレア様も共に…!」


「お母さんも一緒…!」


「スノー…サナエと一緒に逃げて、生き延びるの。」


「お母さん…!」


泣きながら必死に訴える我が子に、クレアも自然と涙を零していた。

サナエは、治癒魔法の篭ったその手を腹にかざし、必死に治療を試みている。

その様子に、クレアは呆れたようにも、しかし優しく微笑むのだった。


「あれ…? 殺したと思ったんだがな…惜しい…やっぱどっちもやるべきだったか。」


「!」


突然の男の声。

それに二人は背筋を凍らせた。


四魔公よんまこう…アンザリア…!」


サナエは絶望の眼差しを向けると同時に、腰に差されたそこにある筈の刀に手を掛けようとした。

しかしその手は空を掴むばかりであり、腰には鞘のみが残されている。

つい先ほど武器は紛失してしまって居たのだ。


そんな事もどうでもいいと、アンザリアはニッと笑うと、口を開いた。


「ああ、この時代・・・・でも、やっぱりわかっちゃう?」


クレアは必死に笑みを作ると、それを我が子に向けた。


「スノー…ごめんね…?」


「ッ…」


魔力が込められた手を額にかざされると、スノーは瞳を閉じ、眠りに落ちる。


「サナエ、この子をお願い…!」


クレアが声を荒げる。

サナエは表情を歪めた。

そして、最後までクレアの顔を見ながら、やがて背を向け一心不乱に走り出す。


「いやいや、逃げられるわけ…ん?」


「ここは…私が通さない…」


クレアが足を震わせながら、血まみれの剣を杖代わりに立ち上がる。


「へぇ、頑張るねえ…」


クレアは、その首から下げられているネックレスを引きちぎった。


「ッ…貴方は、ここで私が…!」


そう言いながら、ネックレスの中に入った液体を喉に流し込んだ。


「ハァ…ハァ…我——「よっと。」


「!」


詠唱、それを行おうとしたところで、クレアは飛ばされた魔法を紙一重で躱した。


「詠唱…敵を前にしてそんなこと出来るかよ、常識だろ。それに——残念ながらガキには死んでもらう。」


「!?」


突然、サナエは立ち止まった。


「サナエ、どうしたの!?」


クレアが叫ぶ。

しかし——サナエは絶望に声を上げることができなかった。

その先の様子に、クレアも声を失う。


「結界…!」


眉間に深く刻まれたシワ。

一筋の嫌な汗が、こめかみを伝った。


「——まあ、そういうこった。大人しく死んでくれよ? そいっと。」


男は軽い口調で、赤黒い光を飛ばした。

しかし、それはサナエたちの元までは届かずに防がれる。


「ぐぅッ…!」


「クレア様!」


クレアが盾となり代わりに受けたのだった。

サナエは、思わずクレアに近づく。


「ッ! 凄いガッツだな…予想外すぎたぜ?」


その行為に、アンザリアは賞賛の言葉と共に口角を吊り上げる。


「——じゃあ、その勇気に敬意を評して——まとめて殺してやるよ。」



ドォンッ!!



突然の轟音とともに、天井は崩れ落ちた。

黄金の閃光を撒き散らしながら降ってきた“それ”を、アンザリアは紙一重で避けている。


「やっべ、見つかっちった。」


「ここにいたか、変態野郎…!」


天井を破壊し、振ってきたその彼は、炎に照らされる瞳から、その紅を輝き漏らし、黒い髪を揺らした。


「魔族....!?」


サナエが声を上げた。

しかし、その姿に、彼女は戸惑ったのだった。


顔はよく見えなかった.....しかし。

しかし、その少年は、男と呼ぶには余りにも美しく、しかし、女と呼ぶには余りにも凛々しかった。

右手の大太刀は桜色に輝き、左手の打刀は、今度は黄金色に美しく輝いている。

さらに周囲には、9つか。

エメラルドグリーンに淡く輝く、ガラスの盾のようなものが浮いていた。


その姿は、まるで一種の芸術。

死屍累々の地を踏みしめる姿が似合う魔族には程遠くあったからであった。


「ヒュー、案外早かったじゃねえか? ええ?」


アンザリアがそう呟く。


「——回目か……行け! 長くは持たない、今のうちに逃げろ!」


少年が言った。


「ッ! 傷が…それに…これはまさか神聖魔法…!?」


サナエが驚愕の声を漏らし、視線を上げた。

すると、いつの間にか左手の打刀は消えており、代わりに蒼白く仄かに輝く結晶が、粉々になって握られていた。

神聖魔法はあれによるものだと理解する。



パンッ!



音を立ててアンザリアの背より放たれた黒魔法。

それは少年の背後を貫かんとして居た。



バチッ!


瞬間、少年を覆うようにして一瞬のみ形成された雷、それに自身の魔法が弾かれると、その後も小さく稲妻が走る。


「ハァ、そう簡単には行かねえか…」



カチッ....



少年が、相手は自分だとばかりに、その刀を無言で向けた。


「おいおい、発情期かよ? そんなに求められても困るぜ? ——ああ、いや、やっぱりお前なら大歓迎だな!」


「ッ…」


少年は無言で刀を振るった。

その一振り一振りは、雷鳴の如き轟音を伴う。


「ッ…そうか、結界を…」


サナエ達が一向に逃げない様子にそう気づくなり、小さく呟いた少年は何かを投げる。


パリンッ


それが直撃した結界は、容易に破壊され、ガラスの割れたような音が響き渡った。


「行け! 早くしろ!」


「おいおい、自信作だぞ? あれ。」


アンザリアが魔法の篭った拳を突き出す。

少年はそれをかわすと、反撃とばかりに刀を振った。


「すまない、礼を言う!」


サナエはそう叫ぶと、足の悪いクレアの為に肩を貸し、走り出した。


「はい、隙あり。」


「!?」


しかし、一瞬の隙に、アンザリアは魔法を飛ばした。


「しまった!」


少年が表情を歪める。


飛ばされた魔法は赤ん坊を貫かんとする。

しかし、それはサナエの身体を押し出したクレアの胸に突き刺さった。


「クレア様!?」


「ッ! クレアだと…!」


少年がその名に動揺した。


「…お母…さん……?」


少女——スノーが目を覚まし、そう声を漏らした。

少年は内心である事を理解していた。

それに、またも表情を歪める。


「——スノー様、申し訳ございません…!」


「え…?」


今度はサナエがスノーの額に手をかざす。

するとスノーは今度はゆっくりと眠りに落ちて言った。

意識を手放す寸前まで、彼女の青い瞳は黒髪の少年の背を捉えていた。


「くッ…!」



ジリッ



少年はすぐに雷の盾を形成させ、サナエ達との間にそれを隔てる。


「そうか…そう言うことだったのか…」


またもなにかを理解したように小さくそう呟いた少年。

日が燃え上がり、アンザリアと彼の周りに大量の瓦礫が落ちていくのだった。





「ス…ノ…」


少女は、夢の中で声を聞いた。



ぅう…なに…?


声に対し、苦しそうにそう答える。


「スノ…」



んん…?



なんと言っている変わらない。

そのもどかしさに、少女は声を漏らした。


「スノー…」



うぅ…」



自分の名前だろう、しかしそれに少女はボーッとした思考で答えた。


「スノー!!」


「はひッ!」


大声で呼ばれたのが効いたのか、流石に少女——スノー・リフサインは夢から引き離された。

口隅に小さくよだれを垂らしながら、ぼやけた視界であたりを見回すと、ベッドの直ぐそばには母——クレア・リフサインが自分と同じ色の青い髪を、窓から流れる風に綺麗に揺らしながら呆れ顔で立っていたのだった。


「いつまで寝てるの? ——今日が何の日か、まさか忘れたりしてないわよね?」


その言葉に、スノーはキョトンとした。

暫しの間を置き、やがて何かを思い出した様に口を開いた。


「今日…今日…ッ!!」


先程まで半開きだった目が完全にひらききり、その瞳は期待に輝いた。

それを見て、クレアは口角を上げる。


「わかったみたいね。」


「今日は、冒険者になれる日だ!」


そう言って、スノーはベッドから飛び上がった。



そうだ!

今日は小さい頃からの夢だった冒険者になる日…!

昨日、十六の誕生日を迎えた今の私は、ついに冒険者になることが出来るんだ…!



スノーは勢いよく階段を駆け下りると、扉まで走り出した。

しかしクレアの声に、その足を止める。


「——スノー、その格好で行く気?」


「え? あっ…」


自分の身体を見下ろして、母が言わんとする事にようやく気がつく。

確かに、今のこの格好で外へ出るのはとても出来るような事ではなかった。


髪は寝癖でボサボサ、服は酷く皺の寄ったパジャマ、しかも寝相のせいで少し脱げかけている。

そこから覗く肩からは、下着がはみ出ている始末だった。


「……」


少しの羞恥心に彼女は頰を赤く染めると、口を開いた。


「そ、そうだね…じ、じゃあ、着替えてくる!」


「待ちなさい。」


再び駆け出そうとする彼女をその襟を掴んで静止させる。


「ちょっ、母さん…痛い…」


「あらごめんなさい。でも、ギルドに私服で行ってどうする気なのよ? 観光気分?」


「ああ、そうだね…」


それにクレアは微笑むと、口を開いた。


「レザーアーマーなら用意してあるわ、動きやすい服に着替えてらっしゃい。」


「あれ? 結局部屋の戻るんじゃ....」


「どうせ私服で降りてくるでしょう? 早くしなさい。」


「はーい。」


そう返事をし、スノーは自分の部屋まで戻ると、タンスを開いた。


「うーんと…汚れてもいい格好の方がいいよね…」


そう独り言を呟きながら、スノーはタンスの中を漁った。

そうして、薄めだが、しかし強靭性の高く、袖の広い服を取り出した。


「となるとこれだよね。じゃあ——下はこっちか!」


そう言いながら取り出したのは、大きく裾の広がったズボンだ。

しかし下部——脹脛辺りにベルトがあり、それを縛る様に巻く事で、膝から下がすっきりとした。

いわゆるたっつけ袴である。

それを履いた彼女の姿は、どこか和風の趣を感じさせるものだ。


「よし…」


小さく声を漏らし、階段を降りていくと、クレアがレザーアーマーの一式を持って立っていた。


「こっちにいらっしゃい、付け方を教えて上げるわ。」


スノーはクレアの教えられた通りにレザーアーマーを装備していき、数分ほどで補助なしの着脱が出来るようになっていた。


「——うん、とっても似合ってる。」


レザーアーマーを装備し、立ち上がったスノーに対し、クレアは満足そうな顔でそう言った。


「うーん、でもちょっと違和感あるなぁ....」


しかし、スノーはぎこちない様子でそう答える。


「そのうち慣れるわよ。いつか、なにも着けていない事に違和感を覚えるようになるわよ。」


「そういうものかなぁ?」


「そういうものよ。」


その言葉に、やはり理解できない様子でいたスノーだったが、まあいいや、と呟いてから鞘に収められたダガーナイフに手をかける。


「モンスターの討伐は受けない事。パーティーを絶対に組むこと。約束してね?」


「わかってる! じゃあ、行ってきます!」


そう言い、スノーは扉に向かって駆け出した。


「スノー。」


「?」


クレアに呼び止められ、スノーはその足を止める。

すると、クレアはその手からネックレスを一つ、下げていた。


「ああ、忘れてた....」


スノーはそう言いながら、それを受け取ると、首からかけて胸当ての裏へと入れる。


「それじゃあ、いってらっしゃい。」


「はぁい!」


大声を上げながらスノーは家から飛び出して行くのだった。


「....気をつけてね。」


クレアが最後に、小さく呟いたその言葉は、当然スノーの耳にまで届く事などなかった。



「おはよう、スノーちゃん、どこへ行くんだい?」


家から出て早々、郵便配達員の男性に、そう声を掛けられた。


「冒険者になってくる!」


スノーはそれに対し、笑顔でそう答える。


「気をつけるんだよ!」


「はーい!」


ご機嫌な様子で坂を下り、市場へと向かった。


「あら、スノーちゃん、おはよう。」


「おお、スノーちゃん! 今日は早いね、どうだい? 安くするよ!」


「あ、スノーお姉ちゃんおはよう!」


市場を走ると、いつも食材を買いに出かけているせいか、沢山の人々に声を掛けられた。

スノーはそれに機嫌よく挨拶を返して行くと、そのまま冒険者ギルド支部まで走って行くのだった。





「うぅッ…」


ギルドを前にして、その鼻を酒の臭いがつんざいた。



そうだ…そういえば、酒場も兼ねてるんだったっけ、冒険者ギルドって。



内心そう呟きながら、中へと入る。

するとそこには、酒を持ち、テーブルに向かって座る屈強な男達や、硬い甲冑に身を纏い、あたかも王国騎士のような格好で依頼を受けるもの。

さらにはテーブルで何かしらの賭け事を行なっている者など、本当に沢山の人々がいた。


いつもは見ないような風景、いつもとは違う日常。

それに胸を躍らせると、酒の臭いなど、いつのまにか気にならなくなっていて、彼女はそのまま受付へと向かおうとするのだったが——


「あっ、すみません…」


肩をぶつけ、スノーはすぐに謝罪する。

相手は、フードを目深に被った、自分と身長の差ほど変わらぬ者だった。


「ッ!」


しかし、彼女はその少年か、少女か——その姿を見て驚愕した。

フードから覗く瞳が、赤に輝いていたからであった。

——魔族。

瞬時にその言葉が思考された。


しかし、間も無くして彼の薄暗くも青い色をした髪に気がつく。


「——なにか?」


「い、いえなんでもないです…!」


声で男だともわかった。

少年はそれに「そうか」と答えると、クエストボードへと歩いて言った。


「——よ、よし。」


気を取り直し、スノーはパチンと一つ、両手で頰を軽く叩くと、再び受付嬢の方へと歩き出した。


「あの。」


一声掛ける。

しかし、掛けたはいいがその一言で緊張してしまったスノーは、硬直してしまった。

その様子に、受付嬢はにこりと笑い対応する。


「緊張せずとも構いませんよ。どうなさいましたか?」


「え、えっと…」


そうは言われたが、スノーは若干震えたような声で口を開いた。


「ぼ、冒険者登録を…」


「はい、冒険者登録ですね。承知しました。」


そう言い、受付嬢はカウンターの下から一枚の紙を取り出した。

そこには、名前や、生年月日、種族など、様々な要項が記されている。


「それでは、こちらをご記入下さい。」


それを受け取り、スノーは書き込んで行く。

数分もしないうちに書き終え、提出した。


「——スノー・リフサイン様ですね。間違いございませんか?」


「はい! 大丈夫です.....」


元気を出して答えようと思ったが、後半は小さくなってしまった。

それに受付嬢は優しく微笑むと、次にカウンターの下から一枚の石板のようなものと、一本の針を取り出した。


「では、こちらに血を一滴、垂らして下さい。」


「わ、わかりました。」


スノーは針を左手の親指にプスリと刺すと、そこから溢れた血を、石板の上に垂らしたのだった。

すると、小さく光りながら石板から一枚の板が浮かび上がってくる。


それを持ち、受付嬢は口をひらいた。


「以上で、冒険者登録は終了となります。こちらが、冒険者カードです。依頼で討伐したモンスターの数や種類、遂行人数などはこちらに記録されます。再発行は有料となりますので 、くれぐれも失くされないようにご注意ください。」


「は、はい。」


スノーはそれを受け取り、ポーチに収める。


「冒険者ランクの説明は致しましょうか?」


「大丈夫です。」


「承知しました。それでは。」


受付嬢に手を振り、クエストボードへと向かう。

大量に小さな紙の貼られた一枚のボード——クエストボードを前に、彼女は手頃な依頼は無いかと探した。

すると、唐突に先程肩をぶつけてしまったあの少年が隣に立っていた。

塾考している様に見える。



契約金での問題かなぁ?



そんな事を考えながら、スノーは一枚の紙に手を伸ばした。

桃源草とうげんそう5本の採集』。

どうやら、最低ランクである、Nランク限定の依頼らしい。


「これかな。」



——母さんはああ言ってたけど、採集くらいだったら一人でもいけるよね!



そんな事を思いながら、依頼書を剥がし、受付嬢に渡すと、説明を受けた。

そして、ギルドから出て少し歩いたところでスノーは呼びとめられる。


「はい…?」


「ねえ君、俺たちと組まない?」


とても筋肉質で、巨漢な男性冒険者数名がそこにはいた。

先頭に立つ音がそう言いながら、手を差し出す。

しかし、自分の身体を舐め回すように見るその視線に、スノーは思わず一歩引いた。


「ん? どうしたの?」


「お、お断りします…!」


そう言い、立ち去ろうとするが——


「連れないなぁ〜、別にいいじゃないの? 俺たちと行こうぜ? 人数は多い方が、早いし、楽しいだろ? イロイロと。」



まずい…意地でも一緒にいくつもりだ....



現状に危機感を覚えた。


「こ、困りま…ひゃうっ!?」


自然と後ずさったスノー。

すると、身体がなにかにぶつかり、その拍子に倒れた。

何かと見上げると、そこには、先程肩をぶつけた、フードを被った紅い瞳を持つ少年が、その紅い瞳を以って見下ろしていたのだった。

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