帰郷

@khad12

第1話

 やはり、帰郷などするべきではない。少なくとも私のするべきことではなかった。

 そう、私は十年ぶりに帰省などということをしでかしたのだ。少しばかり私が軽率だったことを認めなければならなかった。

 私は、大学に進学するにあたって、故郷を離れ、とある盆地の中にある大学に行くことにしたのだ。無論、地元にその盆地の大学に引けを取らない素晴らしい大学があることなど知っていた。しかし、私はどうしてもそこへ行こうという気にはならなかった…。その理由は色々と長くなるから、今は言うまい。また字に起こすがあるとしたら、その時は詳しく書こう。

 それはさておき、私は心から盆地の外に出なければよかったと思っている。わざわざ、数十万もかけて痛い目を会いに行ったのかと思うも今でも憤りが抑えがたい。

 九月末の話である。

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