SF

Jail Fragment 木古おうみ様

執筆状況: 連載中

総文字数: 3万文字ほど(2018年12月時点)

一話あたり: 2千文字前後

要素: 刑務所、囚人、短編集


【あらすじ】

「これは、囚人たちの正式な記録ではない」

 ありえない事件を起こした囚人ばかりが収容される刑務所。そこでカウンセラーをする「ぼく」が見聞きした、囚人たちのお話。



【独り言】

 同じ世界、場所を舞台にした短編集って好きなんですよ。お話が増えれば増えるほど世界が広がっていく感じがして。

 しかしながら、この作品の舞台は刑務所なので世界はあくまで刑務所の中。多くは刑務所に来るまでの経緯が語られます。

 舞台が刑務所というだけあって、殺伐であり閉鎖的な独特な空気。それがこの作品の魅力だと思います。カウンセラーの主人公が話を聞くのは全員囚人。何かしらの罪をおかした人々ですが、怖いというよりは人間臭い。不思議。といった印象が強いです。そして癖が強い。

 私は囚人番号898さんが好きです。空気感というか言動というかが。


 そしてこの作品、驚くことに1話が2千文字前後なんですよね。

 文章の量としてはとても短いです。それなのに濃い。手軽に読めるというのに世界が凝縮されているのが、書く身としてはすごいなあと思います。

 ついつい無意味に肉付けしてしまいたくなるのですが、極限までそぎ落とすからこそ出せる雰囲気というものはあるな。とこの作品を読むと考えさせられますね。


 主人公はカウンセラーとしてただ話を聞くだけなので、事件が解決することもなければ、真相が分かるわけでもありません。ただ、そういうことがあった。そう主人公の個人的な記録に残るのみです。

 その淡々とした空気がいいんです。


 文量としては本当にサクッとよめるので、独特の空気に浸ってみてください。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054884003495

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