第14話 昼食会は女子会で?

 今は昼休みだ。ここは生徒会室であり、俺は三人の女性に囲まれて弁当を食べている。俺は今まで、売店で特製日替わり弁当350円(税別)を買っていたのだが、最近は玲香姉さんの手作り弁当を食べている。もちろん今日もそうなのだが……。


「ほほー。なるほどなるほど。それがいわゆる愛妻弁当なのだな」

「玲香ったら役得よね」

「ふむ。明日からは私が愛妻弁当とやらをこしらえてやろう」

「私だって作っちゃうんだから」

「あの……彩花様先輩と椿姫先輩」

「何だ?」

「なあに?」

「私も緋色のお弁当を作りたいんですけど」

「ほほう。それは良い心がけだ」

「でも、玲香だって作るでしょうから、弟君は食べるのが大変よね」

「そうかなあ? 弟君なら四食分は軽くイケるだろ?」

「あの、先輩方。無理やり押し付けるのはどうかと思いますけど?」

「無理やりではないぞ。二時限終わってから早弁で一つ。お昼に二つ。放課後に一つ。四つくらいは大丈夫だよな、弟君?」

「あれれ、何照れてんの? 緋色はやっぱり、彩花様先輩と椿姫先輩に迫られて嬉しいんだ」

「そういうお前さんも迫っているじゃないか。名前は……」

「藍です。宮野坂みやのざかあい

「藍ちゃんだね」

「はい」

「ちょっと触ってもイイ?」

「何をですか?」

「胸!」

「ああん。ちょっと、彩花様先輩。そんな、恥ずかしいです。緋色も見てるのに」

「ちょっとくらいいいじゃん。物凄く立派なんだけど、胸のサイズはいくつ?」

「え? 言うんですか? 緋色もいるのに?」

「言って減るものでもないだろ?」

「私から言うんですか?」

「ふむ。じゃあ、言い出しっぺの私からだな。身長は165センチ、体重は52キロ。スリーサイズは上から82、58、85だ。ブラはC65。次は椿」

「ええ? 私も言うの?」

「当然だ」

「ちょっと恥ずかしいけど。身長は168センチ、体重61キロ、スリーサイズは上から98、66、95よ。ブラのサイズはG75。弟君。彩花と比べないでね」

「あの……私も?」

「当然だ」

「体重も?」

「もちろんだ」

「ううう……身長155センチで体重66キロです。スリーサイズは上から102、70、98、ブラはG80です。恥ずかしい……」

「おお。堂々の1メートル級だな。しかも椿と同じGカップ……破壊力も抜群だ」

「あああ。彩花様先輩。揉まないでください」

「ああ。すまなかった。椿も触ってみろよ。この柔らかい感触は病みつきになるぞ」

「私は遠慮しておきます。藍ちゃん。今度、銭湯に行って比べっこしましょうね」

「風呂か。いいな。しかし、私は比べっこなんかしないぞ。大敗するのは決定事項だしな」

「いえ。彩花様先輩は重力抵抗値ではトップです。私は多分、へなちょこですから」

「それを言うなら、私だって弱弱よ。ブラを外すとだらしなく垂れちゃうんだから」

「そうかなあ。椿姫先輩なら重力に逆らって空に突き出てる感じなんですけど」

「サイボーグじゃないんだから、そんな事はありません。ブラを外すとちゃんと垂れちゃいます」

「ホントですか? 緋色は見たことある?」

「見たのか? いつ? 一緒にお風呂、入ったんだろ? だって、幼馴染だからな」

「もう彩花ったら何言ってんのよ。確かに弟君と一緒にお風呂に入った事はあるけど、小学生の頃よ」

「え? 椿姫先輩は緋色とお風呂に入ったんですね?」

「だから小学生の頃。まだ胸も膨らんでなかったわ」

「それはそれで興味がありますね」

「妹の夏美と三人で入浴するパターンが多かったかな。何故か、下の妹だけは恥ずかしがって一緒に入らなかった」

「おお。佳乃家三姉妹ですね! 戎屋えびすや地区では有名ですよね」

「でもね。三人とも全然似てないの。どうしてかな?」

「確かに。鉄砲玉夏美なつみは色黒だし身長も胸回りも椿姫先輩よりは小さめですね」

「そう」

「三女のみどりちゃんはもっと華奢。見事な貧乳ですよね」

「そうなの。遺伝って不思議よね。三姉妹だから同じ遺伝子のはずなのに、夏美はDカップで翠はAカップなのよ」

「椿、その二人のブラのサイズを教えろよ」

「ええ? こういうのをべらべら喋っちゃうのは気が引けるな」

「構わないさ。さあさあ」

「じゃあ言うわよ。先ず夏美ね。身長は159センチでバストは88、ブラはD70。翠は身長が152センチでバストは74。ブラはA65ね。夏美も翠も、もう少し成長するんじゃないかな。身長も胸のサイズも」

「そうかそうか。夏美嬢も結構なスタイルだし、翠嬢もAAじゃなくてAという事は、微乳系だが美乳だぞ」

「彩花様先輩。それは微細の微と美しいの美を掛けてるんですか?」

「もちろんだ。こういう洒落は好きだな。いわゆる親父ギャグも嫌いではない」

「下ネタもですか?」

「私の下ネタに男どもが動揺する様を見るのがたまらない。くくく」

「じゃあ、今の話を傍で聞いている緋色の事も?」

「もちろんだ。知らん顔をしつつも、一字一句を聞き逃すまいとするその必死さだな」

「そうなんだ。ねえ緋色。私たちの中では誰の胸が好きなの?」

「そうね。ねえ弟君。誰の胸が好きなの?」

「爆乳の藍か、巨乳の椿か、美乳の私か、どうなんだ?」

「ねえねえ」

「ねえ」

「さあ。返事をしろ」


 何でこうなるんだ!


 今まさに、三人の美女が俺に迫ってきている。しかも、その豊かで眩しい胸元を俺に向けて!


 ヤバイ。これはヤバイ。

 三人の胸元が俺の顔に最接近し、今まさに接触しそうになっているその時だった。


「みんな揃って何してるの。そこにいるのは緋色?」


 突然、生徒会室に響いた声の主は玲香姉さんだった。 







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