第12話 Girl's Side(12)

「わたしも一緒に行くよ」

 ガッキーからメッセージが来た。みんなでエノの家まで行く、という昨日のチーちゃんの提案のことだった。

「浜田山って行ったことないんだけど、楽しみ」

「別に普通のとこだから期待しなくていいよ」

 チーちゃんから突っ込みが入った。チーちゃんとエノの家は歩いて5分ほどの距離のご近所さんだ。

「わたしも行く。ていうか来週は合宿でさ。今行かないとマジで無理だから」

 ナギも賛成していたけれど、合宿の話は初耳だったので聞いてみた。

「合宿って、部活の?」

「そう。九十九里浜で2泊3日。もう勘弁してほしいんだけど」

 うちの学校は生徒全員何かの部活に参加しなくてはいけないきまりになっている。校則にそう書かれているわけではないけれど、「言わなくても分かってるよな」という謎のプレッシャーが先生たちから押し寄せてくるので、みんなそうしないわけにはいかなかった。わたしはもともと中学にあがったらバスケをやろうと思っていたので、きまりとは関係なしにバスケ部に入った。ガッキーも同じバスケ部だけれど、彼女は小学校高学年からやっているので、わたしよりずっと上手くて中学でも1年からレギュラーでおそらく秋からはキャプテンになるはずだった。そうしたらキャプテンの権限でわたしもいい思いをさせてもらえないものか、とひそかによこしまな期待をしていたりする。チーちゃんは軽音楽部で、エノは図書委員をやっているので特例で部活は免除されていた。そういう抜け道も一応ありはする。それでナギの話に戻ると、彼女は特にやりたいこともなかったので、「一番楽そうなのにしよう」と安易な考えで書道部に入ってみたところ、ここが超スパルタで、何度も何度も書き取りをさせられるのは当たり前で、「健全な精神は健全な肉体に宿る」というモットーの下、週に1回体力強化トレーニングの日が設けられているらしい。実際、わたしたちバスケ部員が練習前にグラウンドでストレッチをしていたとき、ナギを含めた書道部員がランニングをしていたのが見えて、「文化部なのに」と思っていたら、体育館で練習を終えてもう一度外に出てみるとまだ走っていたので驚いてしまったことがある。次の日、「ずっと走っていたの?」と聞いてみても、ナギは青い顔をしてしおれてしまって何も答えてはくれなかった。とはいえ、厳しい指導をされただけのことはあって、ナギの実力はめきめきついているようだった。何度かノートを借りたことがあって、意外にも、と言ったら悪いけれど、とてもきれいな字で見やすくて感心した。ただ、ナギは文系の成績があまり良くなくて、この前の期末試験でも国語で再試験を食らっていた。達筆なのに国語ができない、というのはただできないよりも余計に悲惨な気がしたけれど、さすがにそれを口に出して言えはしなかった。ナギも落ち込んでかわいそうたったしね。

「そうなんだ。じゃあ、合宿、楽しんでおいで」

「朝5時起床で楽しめるわけないだろ!」

 ナギがチーちゃんに本気で切れていた。それは確かに楽しめそうもない、と笑ってしまう。リョウマくんに告白されてからずっと乱れていた気持ちがすっかり落ち着いていて、友達っていいな、ありがたいな、とつくづく思った。みんなに「おやすみ」とメッセージを送ってからベッドの上で体を起こした。

 暗闇が濃すぎて、窓から部屋の中へと沁みこんできそうだ。コテージに戻ってから、ずっと部屋に閉じこもりきりで、いつリョウマくんにドアをノックされるかびくびくしていたけれど、そんなことはなかったし、彼が部屋の前の廊下を歩く気配もしなかった。一度、ママが「みんなで下でお茶を飲んでいるから来なさい」とノックしてきたときには、ひ、と驚いて声を漏らしてしまい、眠いから、と急いで断ると、ママも無理強いはしなかったので助かった。こんなことでびびっている自分は嫌だった。だいたいわたしは悪くないのだからびびる理由なんてないのだ。そう、わたしは悪くない。

 立ち上がって窓の外を見た。街灯の明かりがかすんで見える。雨はもう止んでいるのに、と思ってよく見てみると、虫がたかっているせいでかすんでいるように見えたのだとわかって、嫌になって部屋のほうに顔を戻した。虫が嫌いなのにどうしてあんなのを見ちゃうかな、と嫌になったのがきっかけになってしまったのか、また別の嫌なことを思い出してしまっていた。


 中学に上がったばかりの頃、わたしは下校途中の電車の中で痴漢に遭ったことがあった。といっても、触られたりしたわけじゃなくて、何か気持ちの悪いねばねばしたものを制服のスカートにかけられたのだ。電車を降りてすぐホームですれちがった品のいいおばあさんに教えられなければ、そのまま家に帰ってしまっていたかもしれない。それを知ってから、わたしはずっと泣きっぱなしで、駅員さんやおまわりさんの質問にもどう答えたかあまり覚えていない。覚えているのは、わたしと同じ目に遭っている女の人が他にもいるというおまわりさんの話、そして、おばあさんがわたしの背中を優しくさすってくれていたことだけだ。よく知りもしない他人のわたしのためにずっとついていてくれたのだ。

 その件で一番ショックだったのは、もちろん変なものをかけられたことに決まっている。でも、同じくらいショックだったのは、家に帰ってからパパに言われたことだ。

「ヒカルはいつもぼんやりしてるから、そういう目に遭うんじゃないのか?」

 その言葉を聞いた瞬間に頭が真っ白になってしまい、居間から2階の自分の部屋まで走って逃げてしまった。なに? わたしが悪いの? と本当は怒りたかったけれど、あいにくわたしは怒るのが下手で、怒りを上手く言葉に変えられずに、泣くことしかできなかったのだ。でも、そのときは、わたしの代わりにママがすごく怒ってくれて、パパもすぐに気がついて謝りに来た。悪気はなかった、と言われてもとても許せなかった。そのときはパパとは一生話をしないつもりでいたけれど、結局1週間ももたなかった。「ヒカルに嫌われたら生きていけない」とまで言われたら、それは許さないわけにはいかない。ある意味、すごく卑怯な言葉だと思う。

 でも、あのときパパに言われたことはずっとわたしの中に残っている。自分がぼんやりと生きていたのは確かにその通りだと思う。初等部から中等部に上がっても、校舎が隣に移っただけで、さほど環境が変わったわけではなく、中学1年生ではなく小学7年生のつもりで、まだ子供のつもりで過ごしてしまっていた。そして、そんな子供を狙うような人間がいるとは考えてもいなかったのだ。それ以来、電車に乗るときにはかなり気をつけるようになったし、混む時間帯は極力避けるようにしている。乗らなければいけないときでもひとりでは乗らないようにしていた。電車で女の子に変なものをかける痴漢が捕まったというニュースは聞かないけれど、捕まらなくてもいいからどこかで勝手に死んでくれていたらいいと思う。


「あなたは強い子なのよ。しっかりなさい」

 あのとき、おばあさんはわたしにそう言ってくれていた。でも、本当のわたしは男の子からの告白もまともに断れない弱虫なのだ。だめじゃん、と自分にがっかりしてしまう。

 部屋に閉じこもっているから嫌なことばかり考えるんだ、と思いついて、下まで降りてみることにした。さっきみんなでお茶を飲んでいたというから、飲み物と食べ物が残っているはずだった。リョウマくんと会ったらどうしよう、と一瞬考えたけれど、表に出たら逃げ道はいくらでもあった。力ではかなわないけれど、足ならたぶんわたしのほうが速い。

 ドアを少し開けて廊下を確認すると、誰の姿もなかった。リョウマくんもさすがにストーカーみたいに待ち伏せはしないのだろう。階段の上から1階をのぞきこんでも、やはり誰もいない。すっかり安心して下へと降りる。テーブルの上にはチョコチップクッキーとストレートティーの2リットルのペットボトルが残されていた。わーい、と心の中で喜びながら椅子に座る。クッキーをかじり、お茶を飲む。それからまた、クッキーをかじり、お茶を飲む。それだけのことでとても幸せな気持ちになれた。なんて単純な人間なんだろう。

「あれ?」

 そんなときにテーブルの下に何か白いものが落ちているのを見つけた。なんだろう。潜り込んで拾ってから、頭をぶつけないように気をつけつつ立ち上がる。明かりの下で見てみると、お城のぬいぐるみだった。ルリのお気に入りだ。お茶を飲んだときに持ってきて忘れてしまったのだろう。どうしよう、と迷った。ルリとマリはご両親と一緒にここから離れた別のコテージに泊まっている。だから、そのコテージまで届けに行けばいいのだけれど、大人だけが泊まっているコテージには近づかないように、とママからはしつこく言われていた。言いつけを破ればかなり怒られるのは間違いなかった。それにここで夜に外に出るのは正直怖い。もうすぐ23時になるところで、東京と違って全然明かりもないのだ。でも、このぬいぐるみはルリが大事にしていて、忘れていることに気づいたら泣いて眠れなくなってしまうかもしれない。どうしよう、ともう一度迷ったときに、夕方のレストランでルリがこのぬいぐるみを抱きしめている姿が浮かんできた。

 行こう、とそれで決心がついた。外が怖くても叱られたとしてもルリのためだと思えば我慢できる。

 扉を開けて外に出ると、落とさないように両手でしっかりとぬいぐるみを持ち直した。この夜道で落としたら見つけられる自信はない。ゆっくり歩くうちにだんだん目も慣れてきた。小さな丘を登ると向こうに明かりが見えた。あそこに大人が泊まっているコテージがあって、ルリとマリもそこにいる。2人はもう眠ってしまっているだろうけれど。

「わ」

 足を滑らせて慌ててしまう。サンダルではなくてスニーカーにしたほうがよかったけれど、そうするとワンピースも着替えなければならなくて時間がかかりすぎた。というより、レストランからコテージに戻ったらさっさと着替えればよかったのだ。なんだ、この服、意外と気に入っているのかな、と自分に不信感が生じる。この服では夜風もひときわ冷たい。ぬいぐるみを渡して早く帰ろう。

 やっとコテージの前まで着いた。初めて間近で見たけれど、平屋作りで、わたしたちが泊まっている二階建てのものとはだいぶ様子が違う。木製のステップを上がって玄関まで行こうとして、建物の左側の大きな窓から光が漏れているのが見えた。さっきわたしが見た明かりもあれだ。そこで好奇心が不意に芽生えた。いったい中でみんなは何をやっているのだろう、と。ちょっとだけのぞいてみたくなった。ばれたら叱られるけれど、ここまで来た時点で叱られるのは決まっている。一人殺すのも二人殺すのも一緒だ、と何かの映画の犯人が言っていた気持ちが今ならわかる気がした。段差を上がるのはひとまず後にして左のほうへと回り込んだ。でこぼこと盛り上がった地面をゆっくりのぼってから、窓の隅からそっとのぞきこんだ。薄いレースのカーテンがかかっていたけれど、中の様子はわかる。そんなに広い部屋ではないから、誰かの個室なのだろう。

 そこで2人の人間が絡み合っていた。顔はよく見えないけれど、裸の男の人がやはり裸の女の人に後ろから覆いかぶさっている。とんでもないものを見てしまった、と窓をのぞいたのをたちまち後悔した。もちろん、いくらわたしでも今見たものが何を意味しているのかわかっている。そして、ママがしつこく注意していた理由もわかった。要するに、毎年恒例のこの旅行には、夫婦の愛の再確認とか、そういう意味もあるのだろう。そういう目的で旅行をする夫婦もよくいる、とママの行きつけのヘアーサロンに置いてある女性週刊誌で読んだおぼえもあるけれど、まさか自分の親たちもそうだとは思っていなかった。今それを知ってしまって、気持ちはよくないのはあたりまえだった。ただ、まったく理解できないわけでもない。うちのパパとママがそういうことをしている、というのも当然わかっていた。まだ小学生低学年のころ、休みの日にパパもママも起きてこないので2人の寝室まで行ってそっとのぞいたら、2人とも裸だったので「風邪ひかないかな」と心配したことがあるのを覚えている。今考えればあれはそういうことだったのだろう。

「別にいいんだけどね」

 と胸の中で呟きながら、窓から離れようとした。この部屋にいるのが誰なのかわからないけれど、うちの両親だろうが、リョウマくんのご両親だろうが、西方のおじさんと智世さんだろうが、やるなら勝手にしてほしかった。それに何よりわざわざのぞいた私が悪いのだ。ふてくされて窓から離れようとしたそのとき、光の加減なのか、カーテンの角度なのか、さっきは見えなかった2人の顔がわたしからはっきり見えた。うちのパパが智世さんの身体に乗っかっている。パパが右腕を背後からまわして智世さんの顔の向きを変えると、2人はお互いをむさぼりあうように長い間キスをした。

 叫ばないように右手で口を押さえるのに必死だった。自分が今見たものが信じられない。あれはいったい何なの。涙だけがぼろぼろこぼれ落ちる。とにかく、今はここから離れなければいけない。気づかれないように逃げなければいけない。斜面を後退りながら降り切ったそのとき、背中に何かがぶつかった。木とかじゃない。人の身体だ。見つかってしまった。どうしよう。パニックになったわたしの耳によく聞き慣れた声がささやかれた。

「ぼくだよ。ヒカルちゃん、ぼくだよ」

 リョウマくんが心配そうにわたしを見つめていた。

「泣いてるの? どこかケガしたの? 大丈夫?」

「それは、大丈夫だけど」

 何より気になったのは、どうしてこの人がここにいるのかだ。リョウマくんもそれを察したらしく、自分から答えてくれた。

「部屋の窓から、ヒカルちゃんが出ていくのが見えたからさ。こんな暗いのに一人じゃ危ないと思って追いかけたんだ」

 さっき告白して断ったばかりの相手の心配をするなんて、お人よしにもほどがあった。ばかじゃないの、この人。とりあえず、建物に近すぎて見つかるおそれがあったので、近くの草むらに2人で隠れる。蚊とかそんなものを気にしている場合ではなかった。

「でも、一体何があったの?」

 また訊かれた。今見たものをリョウマくんに話していいものだろうか。これ以上迷惑をかけてはいけないのではないか。そう迷っていると、彼の様子もおかしいのに気づいた。もともと白い顔はさらに青白く、唇も震えている。

「リョウマくんのほうこそ、何かあった?」

「え?」

「顔を見ればわかるよ」

 そう言われると、彼は夜空を見上げてから、次に地面を見て、そして最後にわたしを見た。

「ヒカルちゃんに言っていいのか、すごく迷うんだけど」

 何を言われてもいまさら驚きはしない。わたしの中の驚きを測るメーターはさっきのショックでもう壊れてしまっている。

「大丈夫。早く言って」

 その言葉で決心がついたようだったけれど、それでもためらいがちに言葉を絞り出していく。

「さっき、ヒカルちゃんを追いかけていたら、ここの玄関の前で見失っちゃったんだ。それで建物の右側に行ったのかな、と思って行ってみたんだけど」

 逆だよ、逆。この人、本当にわたしを好きなのかな、と疑念が心に浮かび上がる。

「何か見た?」

 また黙ってしまった。でも、ここまで来て言わないはずもないから待っていると、

「あのね。その。右側に部屋があって、その、窓もあるんだけど。それで、中が見えちゃったんだ。そしたら、その。中に人がいて。それでね、その」

 「その」ばかりで何が何だかさっぱりわからないから、自分から切り出すことにした。

「誰かがセックスしてたの?」

 「せ」と一文字だけ言って、リョウマくんは口をぱくぱくさせている。100%ばかに見える。

「で、どうなの?」

「ヒカルちゃんでも、セックス、とか言うんだね」

 なぜかショックを受けている。あたりまえでしょ。わたしだってそれくらい言うよ。そう怒りたくなったけれど、今大事なのはそこではなかった。

「誰と誰がしていたの?」

 少しだけ迷った後で、彼は話してくれた。

「ぼくのお父さんと、きみのお母さん」

 そういうことなのか。なんとなく想像はしていたけれど、やっぱりそうなのか。がっくり膝をついてしまいそうになるけれど、気合いでなんとか耐える。身体よりも服を汚したくはなかった。気を取り直すと、今度はリョウマくんにわたしが見たものについて説明した。

「え。じゃあ。じゃあ」

「そういうことなんじゃないの?」

 すっかりしらけた気持ちになっていた。いい大人が集まって何をしているんだ、と。でも、もしもリョウマくんが来てくれなかったら、わたしはパニックになったまま自分の部屋まで戻ってそのまま泣きわめいてしまっていただろう。来てくれてありがとう、と言ったほうがいいとわかってはいても、言いたくはないので黙っていた。

 いきなり、リョウマくんが立ち上がって、草むらを出てもう一度大人たちのコテージのほうへと歩き出そうとしていた。

「ちょっと。どこに行くつもり?」

 注意しようにも小さな声しか出せないから難しい。リョウマくんはわたしのほうに向きなおると平然と言った。

「もちろん、もうひとつの部屋を見に行くんだ」

 はあ? と叫びそうになるのをこらえる。この人、ばかじゃないの、と思ったのは、今夜何度目だろう。

「どうして? そんなことする必要ないでしょ。何があるのかわかってるじゃない」

 それに、特にあなたは行かないほうがいい、とも言いたかった。でも、その理由を言うだけで彼が傷つくのもわかっていたから口に出すこともできない。難しすぎるミッションだった。

「それでも確実じゃないからさ。自分の目で確かめておきたいんだ」

 とても真剣な顔をして、とても真剣な声で彼はそう言った。こんな状況でなければ、かっこいい、と素直に感心できたかもしれないけれど、今この場では最悪の選択としか言いようがなかった。なんなんだ、その使命感は。

「もう。勝手にすれば」

 付き合いきれなくなって、彼を抛っておいたまま帰り道を走り出した。走っているうちに、また一人になったことに気づいて、その途端に涙があふれ出した。ばかだばかだと思っていたけれど、そんなリョウマくんをわたしは頼りにしていたのだ。情けなくて心細くて、もう我慢できずに泣き声をあげながらわたしは暗闇の中を走り続けた。

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