第21話 ダイヤモンド


中島さん『宝石って何で高いの?』





 

僕の名前は寺野かずお、どこにでもいる男子高校生です。

今は授業の合間の休み時間、今日も中島さんの疑問に頑張って答えます…



 

 


中島さん『ねぇ、何で宝石って高いんだと思う?』

 

寺野くん『それは僕も思ったことあるよ。

     男からしたら何でダイヤモンドとかって

     あんなに高価なんだろう?って思うよ。

     まぁ、貴重だからじゃない?』

 

中島さん『貴重だから高いって言っても限度があると思うんだよね。

     昨日、深夜のテレビショッピングで

     ダイヤのネックレスが30万円くらいで売られてたの!

     出演者の人達が、安い!私、買っちゃう!とか騒いでたよ、

     絶対買ってないよね』

 

寺野くん『う~ん、そういう発言は男がするものだと思ってたけど…

     でも女の子はそういうダイヤモンドとかの宝石が好きなんじゃないの?』

 

中島さん『私はダイヤモンドよりラッコの方が好き』

 

寺野くん『ラッコ?動物の?ダイヤモンドと比べるものじゃないと思うけど…』

 

中島さん『だってラッコは生きてるんだよ!

     ダイヤモンドなんてキラキラ光るだけの石じゃん!

     ラッコの方がカワイイもん!』

 

寺野くん『ま、まぁ落ち着いてよ、

     でも確かにダイヤモンドとか宝石は高すぎると思うよ。

     結婚指輪だって高いのだと100万円とかするんじゃない?』

 

中島さん『私は結婚したらダイヤの指輪なんて欲しくないもん!

     そのお金でラッコを買ってほしい!結婚式でラッコを渡されたいよ!』

 

寺野くん『そんな結婚式、見たことないよ!

     でも結婚指輪だったら夫婦で付けなきゃいけないから

     ペアリングだと指輪は2つ必要だよね』

 

中島さん『私はラッコがペアで欲しいよ』

 

寺野くん『ど、どうしてもラッコの方がいいんだね…』

 

中島さん『だってダイヤモンドなんて家に置いてても何の役にも立たないでしょ?

     ダイヤモンドの価値って何?そんなに必要なものなの?』

 

寺野くん『とても女性の発言とは思えないなぁ…

     うーん、そうだ!ダイヤモンドって堅いから、

     そのダイヤでガラスとか簡単に切れたりするんだよね』

 

中島さん『私、ガラスとか切る予定ない…』

 

寺野くん『そうですよね…あとは、確かダイヤモンドって熱伝導率が高いんだよ!』

 

中島さん『熱を伝えてどうするの?何に熱を伝えるの?』

 

寺野くん『う、う~ん、こうやって話してると

     本当にダイヤモンドが価値のないものだと思えてきちゃうなー』

 

中島さん『私は一生、宝石は身に着けないと思うなー』

 

寺野くん『ダイヤモンド以外の宝石とかアクセサリーとかも全く興味が無いの?

     よくわかんないけどルビーとかサファイアとか、真珠とかも興味なし?』

 

中島さん『ぜんっぜん、いらない』

 

寺野くん『お葬式とかでは女性は真珠のネックレスを付けたりするけどね』

 

中島さん『うん、そういうマナーの場では身に着けるけど、

     自分自身では宝石は買いたいとは思わないよ、ラッコを買うよ』

 

寺野くん『よ、よっぽどラッコが好きなんだね…』

 

中島さん『寺野くんが私に何かプレゼントしてくれるならラッコがいいな!』

 

寺野くん『(え、それって、さっきの話の流れからすると…)』

 

中島さん『でも生きてるラッコっていくら位するんだろう?』

 

寺野くん『そ、そうだね、いくら位だろう?そもそも飼えるものなのかなぁ?』

 

中島さん『う~ん無理なのかなぁ?まぁいいや、忘れてね』

 

寺野くん『う、うん(やっぱり無意識で言ってるのかな…?)』

 

中島さん『あ、授業始まるよ』

 

寺野くん『あ、うん、』

 

 

 

 

授業が始まると、中島さんはいつも通りに勉強していた。

中島さんはいつも真剣だ。僕への質問や疑問も、いつでも真剣に語ってくる。

だから僕も、いつも真剣に答えるけど…たまにドキッとさせられるんだよなぁ…

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