185-2.シュリ城へ②
シュリ城の中に入ると、セルディアス城以上に豪華な装飾がたくさんあった。
セルディアス城が真紅なら、こちらは朱色と言った違いはあるけれど……豪華絢爛と言う言葉がこっちは似合う。
アシュリン皇太子殿下の案内のもと、皇帝陛下がお待ちの部屋に到着した時は……豪華だけど、ちょっと厳かな雰囲気の扉が見えてきた。
殿下がノックをされてから開けられると、中からは上品なお香の薫りがしてきたのだ。
「よくぞ、いらっしゃった。セルディアス御一行」
柔らかい……その雰囲気が似合うくらい、柔らかい微笑みを浮かべている男性がいらっしゃった。
リンお兄ちゃんにさらに似ていて……とっても、素敵なおじ様。この方が、今のホムラ皇帝……。
「……お初にお目にかかります。チャロナ=マンシェリー=セルディアスと申します」
私が挨拶させていただくと、皇帝陛下は首をゆっくりと縦に動かされた。
「……おお。たしかに、復活なされた王妃殿とそっくりだね? それに、先日そちらのローザリオン公爵殿とご婚約なされた知らせはお父上殿から伺っているよ。おめでとう」
「「……ありがとうございます」」
カイルキア様とも面識があるんだなって、ちょっとびっくりしたけど……お兄さんが殿下と幼馴染みさん? だから不思議じゃないかも。
「さて、ひとつ。王女殿には御礼を言わないとね?」
「御礼? でしょうか??」
何を? と首を傾げると、皇帝陛下は軽く頭を下げられた!?
「米の炊き方だよ。正しい炊き方を君の兄君やシュィリン伝に教わったのだが、あれのお陰で今まで見向きもしなかった米を……国民達は美味しそうに食べることが出来た。今日教えていただく饅頭もすごく楽しみだよ」
「……お役に立てて何よりです」
「うん。王女殿はお着替えも必要だろう。女官に案内させるから、また後で」
と言うことは、皇帝陛下もおまんじゅうを作られると??
お仕事はともかく……わざわざ料理をされるのが、ちょっと意外だと思った。
とりあえず、女官さんと言う綺麗な女性に控え室に案内されてから、私は着替えてロティを召喚し。また女官さんに案内されて厨房に行くことになった。
「お待たせ致しました」
私が中に入ると、そこはめちゃくちゃ広い厨房でした。
「やあ、着たね?」
そして驚いたのは……皇帝陛下もだけど、
「せっかく、王女殿に教わるのだから……私達も着替えなくちゃと思ってね??」
と言って、ウィンクされた皇帝陛下……ちょっと、お茶目なおじ様だなって、なんか親近感が湧いてきた。
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