180-3.氷の守護者
*・*・*
ほっぺにキスしたのがまずかったかもしれない。
チュッと音を立てて、離れてからえへへって笑おうとしたら……カイルキア様にきつーく抱きしめられた後にキスの嵐をお見舞いされました……。
終わったら、へろへろへろんってくらいに体力を持ってかれたってくらいに。無闇にスキンシップはやめておこうと固く心に決めましたとも。
「…………お前が可愛過ぎる事をするのが悪い」
だそうです。ちょっとだけ、自分からスキンシップしただけでこの状態は……結構しんどいです!!
その後に、カッコ良過ぎるご尊顔を拝めるんだから許しちゃう私もすっごく単純だ!!
「じ……自重、します」
「しなくていい」
「ふぇ!?」
「俺は、いつだってお前と触れ合いたい」
「〜〜〜〜!!」
甘い……甘々だ!!
なんで、リミッターが外れるとこんなにも甘々なんでしょう!?
ロティが影にいる以外二人きりとは言えど、野外でキス以上のことをしてはいけない。誰も来ないだろうとはわかっていても、私の心臓がもちそうにないもん!!
とりあえず、カイルキア様の腕の中で縮こまっていると、彼は小さく笑ってからおでこにキスをしてくださった。
「……これ以上のことは、俺も自重する。初めては寝室がいいからな?」
「〜〜!? か、カイル様!!?」
そんな台詞がカイルキア様の口から出てくるだなんて!!?
流石に恥ずかしさがMAXになった私は、顔を見られたくなくて……ぎゅーっと彼の胸元に抱きついた。カイルキア様は本当に何もして来ない宣言通りに、私の頭を軽く叩くだけでした。
そして、私が落ち着くまでそのままでいてから少し。
カイルキア様の異名について、少し気になったので聞いてみることにした。
「『氷の守護者』についてか?」
「はい。冒険者の間では、
カイルキア様は、食後の紅茶を飲みながら小さく笑われた。
「……俺が氷の魔法を得意なのは知っているな?」
「はい。見たのは一度だけですが」
私の半分暴走しかけた炎の魔法を止めてくださった時だけだけどね??
「……冒険者だった頃。まあ、マックスもだが……フィーガスも色々血気盛んだったんだ。奴らを抑えるのに、氷の魔法を使って動けなくさせたりとか……他にも討伐依頼で一応活躍などもしたが。いつのまにか、そのような異名がついた」
「…………想像しやすいです」
「だろう? だから、マックスのように……覇者のような意味合いではない」
「そうでしょうか?」
それも十分に立派な由来だとは思うけど。
カイルキア様の腕の中から顔を上げて目が合うと、二人で笑い合った。
「だが……今はお前だけの守護者でありたい」
「……ありがとうございます」
その申し出は嬉しくないわけがないので、また小さく笑うとカイルキア様の表情が真剣なものになっていった。
「カイルキア=ディス=ローザリオン。チャロナ=マンシェリー=セルディアスを
「!?」
と、宣言のような言葉を紡いだ後に、カイルキア様が私の唇にご自分のを柔らかく重ねてきた。
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