177-4.とろっとピザまん③(マックス《悠花》視点)








 *・*・*(マックス《悠花ゆうか》視点)









 何?


 何?


 何!?


 この超絶いい匂い!?


 パンじゃないのはわかるけど、今日のおやつはなんなのよぉおおおおお!!?


 食堂の方からするし、絶対ぜぇったい、チーちゃんの仕業よん!!


 今日は何かしら〜ん??



「チーちゃぁあん!? 今日のおやつはなぁにぃ!!?」



 勢いよく扉を開けても、チーちゃんは小さくはにかみながらカウンターの向こうで作業してたわ。



「今日はピザまんだよ?」


「ピザまんですって!?」



 さらば、コンビニ。


 さらば、中華まんの冷凍達。


 とかなんとか思っていた時期もあったのに、前世に引き続きマブダチであるチーちゃんは、いとも簡単にそれを叶えてくれたわん!!



「うん。皮から全部手作りだよ?」


「それは疑わないけど…………」


「けど??」


「……いくつ、食べていいかしらん??」


悠花ゆうかさんは五個かな??」


「ジャスティス!!」



 わかってるじゃないのぉ、チーちゃん!!



「はい。収納棚に入れておいたから、熱々だよ??」



 見た目も、肉まんを色付けしてピザまんに出来るだけしていたわん!?


 これを今から五個も食べれる!?


 なんて至福よん!!


 レイはまだ手伝いとかしてるから、あたしは紅茶ももらってから適当な席に着いたわ。隣にいたのは、庭師筆頭のライオネルだった。あたし程ではないけど、がたいがいいのにちまちまとピザまんを食べていたのよん?



(けど……今は、ピザまん!!)



 食紅とかがないのに、綺麗にオレンジ色をしている皮。


 中身は、絶対美味しい予感しかしないチーちゃんお手製のピザ餡があるはず。


 まずは、半分に割ってみると……チーズが伸びる伸びる!?



「あらやだ。すんごい伸びるじゃなぁい??」



 あまりにも伸びるから、行儀が悪いけど噛んで引きちぎった。チーズにわずかに感じたピザのような味付けが堪らないわん!?


 もう我慢が出来ない、と持ってた片方にかぶりつく!!


 劇的に熱いわけじゃないが、適度に熱さを感じたので『ほっほ』としてしまう。



「んま!?」



 皮はふっくらもちもち。


 わずかに甘いが、具材であるピザ餡の塩気と甘味が絶妙にマッチしていて……まだ奥にいるチーズと合わされば堪らないで済まないわ!!?


 コンビニのチープな味付けも恋しかったが、手作りのこのピザまんの方が上よ上!!


 肉っ気とか、トマトとか色々感じる味付けで、五個だなんてぺろりよん!!


 勢いで食べちゃったから、隣のライオネルも目を丸くしてたわん?



「チーちゃぁん、おかわりぃいい!!」



 とりあえず、まだもらえるか聞きに行くに決まってるでしょ!?



「だーめ。あとは皆さんの分だもん」


「うぅ〜〜……」



 それから、チーちゃんと一緒にカイルとレクターがいる執務室に向かったわー。


 奴らにも、チーちゃんの無限∞収納棚から出してくれた熱々のピザまんを口にすると。


 レクターはいつも通りだけど、カイルが笑ったのよぉおおおお!!?


 ほんとに、チーちゃんと目出たく恋人で婚約者になったせいか。ちゃーんと、表情が出るようになったのよね〜??


 若干、気持ち悪いけど!!

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