173-4.悪食を止めた礼

 コロンの数値は相変わらず桁外れだけど。


 レベルがやっぱり50になっているし、ロティのナビレベルもだいぶ上がってる。


 それに、それぞれの数値があとちょっとで次のレベルに行くのか。これは嬉しいことだ。


 とりあえず、ユリアさん達と別れてもこの異能ギフトはきちんと機能している。悠花ゆうかさんにもステータス画面が見えないのは相変わらずなので、ロティにお願いして紙に出してもらった。



「…………は? なんでこんなにもレベルアップしているわけ!?」



 けど、悠花さんはレベルアップした時にいないから驚いて当然だ。



「【枯渇の悪食】を消去出来たから……その反動で経験値がめちゃくちゃもらえたの」


「あん? フィルド達が言ってた選択がどーのこーののやつ??」


「そう。それが出来た時に、天の声……多分ユリアさんが誘導してくれたと思うの」


「まあ、チーちゃんに選ばせたと言うかやらせたからねん?」


「んー? 言い様によってはそう言う感じかな?」


『でふ?』



 利用されたかと言えば利用されたも同じ。


 だけど、あの事件で死を迎えなければ……私や悠花さんはこの世界に来れなかったし、お互いに大切な人に出会えなかった。楽天的な考えだろうけど、それで良かったとも思う。


 それは、今私の腕の中にきたロティも同じだから。



「ん〜〜? とりあえず、コロンがまた大量にあるから振り分けなきゃね?」


「そうねん? ロティちゃん、各技能スキルって今どんなけまでレベルアップ出来るのん??」


『にゅ〜!! 100まででふ!! ちゃじゃ、ご主人様のレベルアッぴゅによって、もっともっと上がるでふよ!!』


「「ほほう〜〜??」



 だとしたら、ナビ変換チェンジを限界まで引き上げるか……いや、せっかくバランスよくレベルアップさせているからそれも……。



(うう〜〜ん、悩む!!)



 私だけしか持っていない異能でも、出来れば有効活用はしたいから。



「とりあえず、チーちゃん?」


「うん?」


「メインで伸ばす技能が決まりそうなら、そっち優先でもいいんじゃないかしら? コロンはいくらでも入ってくるでしょ?? ウルの加護もあるんだし」


「あ、ウルクル様……」



 そう言えば、しばらくお会いしてないけど……あの方も多分私が王女だって知ってて……フィルドさん達の関係も演技してたのだろう。



『呼んだかえ??』



 とかなんとか言っていたら、ウルクル様がいきなり出てきた!?



「あんら、ウル? いきなりで悪いけど、あたし達の事色々黙っていたのん?」



 んでもって、悠花さんもいきなり聞きました!?



『応。最高神……フィルド様方からいささかのお? チャロナが王女であることもな? 騙すような事をしてすまなんだ』


「あ、いえ! 大丈夫です!!」



 隠していなくてはいけなかったんだから、そこは仕方がないもの。


 手を振ると、ウルクル様はにっこり笑ってくださった。



『であれば、チャロナ。礼を言わせてくりゃれ?』


「お礼……ですか??」


『うむ。主の選択により、我らの豊穣が蘇ったからのお?』


「あ……」



 そう言えば、枯渇の悪食がまだ進行していたのを……私が選んだから止められたんだった。


 自分の事でていっぱい過ぎてすっかり忘れてた!!

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