172-1.男の心境(マックス《悠花》視点)






 *・*・*(マックス《悠花ゆうか》視点)










 あんらま〜あんらま〜?


 チーちゃんが大変だわねぇ??



(エイマーくらいでかくなっちゃって……)



 あたしは、女としては羨ましいとは思うけど。男としては、眼福ものでしかなかったわ。けど、あたしは!! 愛しのエイマーひと筋よん!!


 とりあえず、まだ顔が赤いカイルを連れて執務室に向かったわ。



「……………………カイル」



 執務室に着くと、カイルはへにゃんって感じに絨毯の上にへたり込んだのよね!?



「……………………」



 言葉にも出来ないようね?


 まあ、なりたての恋人の身体の変化。しかも、ぺたんこまでもないけど、ちっちゃかった胸がエイマー並みにでかくなったのよ??


 色々びっくりしたはずだわ!!



「…………おい」


「…………」


「ぶっちゃけ、どこまでした??」


「………………と、くに」


「嘘つけ!?」



 ぶっちゃけ両片思いだったんだから、なにもしないわけないでしょうが!?


 軽く頭を殴ると、カイルはよろよろと立ち上がりながら……口元を手で覆ったわ。



「…………その。口付けただけだ。他はしていない」


「マジか〜? あんなに胸でっかくなったんだぜー?」


「断じてしていない!! 俺とて、色々焦った」


「……そうかよ」



 最後の砦は守ったようね?


 真昼間からいきなり襲うだなんて、男じゃないわ!!



(……多分、だけど)



 あたしもエイマーと結婚した後とかは自信がないわん?



「……とりあえず、城にも魔法鳥を飛ばす」


「妥当だな?」



 サイズとかはあとでメイミーとかが知らせるでしょうけど、あの親バカな事だからチーちゃんのドレスを色々新調しているはずだもの。


 城に行くたびに増えてたら、親バカ過ぎだーけーどー?


 あたしは適当にコーヒーとか淹れながら待っていると、ちょっとしてからレクターがやって来た。



「原因がわかったよ」


「なに?」


「何だったんだ?」



 レクターにもコーヒーを渡してやれば、ひと口飲んでから息を吐いた。



「ロティちゃんが教えてくれたんだけど」


「「ロティ/ちゃんが??」」


「……チャロナちゃんの元に大きさはあれくらいで、最高神の御意向から……わざと小さくさせられてたのを戻しただけだって」


「マジ?」


「…………あの御二方を思えば、わざとらしいが」


「フィルド達の考えは読めねーしな?」



 小さくしていた理由はともかくとして、戻したタイミングは絶対絶対わざとだ。カイルの反応を見たかったのもあるかもねー?



「とりあえず、深刻なことじゃないのはわかったよ? 服についてはエイマー先輩のをとりあえず着ているし、姉さん達の手直しが出来るまではゆっくりしてもらってる」


「……チャロナは今?」


「うん。その関係で先輩の部屋。行こうとしないでね? あとでちゃんと来るから」


「……ああ」



 あたしも大反対よん? 愛しの愛しのエイマーの部屋に、上司とは言え幼馴染みが行くのは!!


 話題を変えるために、今後の予定を組み立てていくことにしたわん?

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