168-2.家族との朝②
食事も、豪華でした。
前世での、ドラマとかアニメで見たようなとしか言えないが。朝食なのに、種類が多い!?
こんなにも食べるわけじゃないけど、多過ぎますよ!?
「さあ、食べよう!」
お父さんは上座。私とお母さんはお父さんの両隣。お兄さんは私の隣と言った感じに。いただきますの風習はないのか、お父さんの合図で食べ始めることになった。
まずはサラダ。しゃくしゃくとした食感は心地よく、みずみずしい感じがとてもいい。ドレッシングはシーザーサラダに似ている……けど、とっても美味しい!
その後に食べたオムレツはお肉や野菜がたっぷりの具沢山で最高!!
「おはようございます、陛下。皆様方」
もっもっ、と食べていたらフレイズ様がやってきた。あと何故かお師匠様まで。
「お、おはようございます!」
「……おはようございます。王女殿下」
まだメイドさん達がいるから、ここでは砕けた話し方が出来ない。と思っていたら、お父さんが彼らを退室させた。
「聞かせてもよかっただろうが、チャロナが異世界からの転生者だと言うのはあまり知る者が多くない。驚かせるだけで済まないだろう」
と言うことです。
「お気遣いいただき、ありがとうございます。陛下。……して、チャロナ嬢」
「はい?」
いつも通りの口調になったフレイズ様は、私の近くにまでやってきた。
「『今の』私が手がけたパンは召し上がっていただけましたかな?」
「あ、いえ。まだです!」
パンもきちんとあったのに、まだ手をつけていなかった。どんな仕上がりになっているのかは、パン教室以来口にしていなかったので知らない状態。
見た目は、普通のバターロールに白パン。
バターやジャムを付けずに、ちぎって口に入れた。
「……………………」
「「「「「……………………」」」」」
皆が見守っている中で、私はよく噛んでから飲み込んだ。
「ど、どうだろうか……?」
「率直に言います」
「う、うむ!」
「だいぶ食べられるものになっていますね!」
「「おお!!」」
誇張しているわけではない。
カイルキア様のお屋敷で初めて口にしたような拒絶感がなく……まだ完全に美味しいとは言いにくいけど、マーガリンやショートニングをたっぷり使った様な……スーパーのチェーン店が作るような味わい。
つまりは、食べれなくないパンにまで成長しているのだ。これは、大きな進歩だと思う。
「であれば、チャロナちゃん! 儂に依頼した
「そうですね。あと、これからは冬に近づくので水の温度も関係してきますが」
「「水の温度……??」」
「はい。発酵以外にも食感など、色々違ってきます」
ぬる過ぎてもいけない。冷た過ぎてもいけない。
その違いが、冬になるにつれて……生地に明確に現れてくるのだ。
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