167-2.家族でパジャマパーティー②

 今頃、ロティもだけどカイルキア様や悠花ゆうかさん達ものんびり過ごしているはず。


 私は、今日起こった出来事がたくさんあり過ぎたけど……実は王女様で、実はお母さんが死んでたのを生き返らせるのを手助けしたり……。


 今も、実は家族だったアインズさんとシュライゼン様にも囲まれてパジャマパーティーをするだなんて夢のようで。


 とりあえず、お兄さんからはジュースを渡されたので少し飲んでみた。甘酸っぱくて、秋の果実って味わいの美味しいジュースだった。



「美味しい……!」


「んふふ〜? 今の時期が旬のザクロで作ったジュースなんだぞ?」


「……贅沢ですね?」


「旬のものこそ贅沢に! ってね? ところでチャロナ〜? 母上はともかく、俺や父上にはまだ敬語外せないのかい?」


「…………ちょっと」


「お兄ちゃんなのに!?」


「お父さんなのに!?」



 顔がそっくりなこの親子は見ていて飽きないなあと思いました。



「ふふ。神のこれまでのご意向があったとは言え、これまでは使用人と貴族相手でしたもの。徐々に……しか難しいわよ、シュラ? アインズ様?」


「うむむ……」


「君は戻ってきても相変わらずだな……」


「うふふ。ロティの側でずっと一緒だったもの?」



 可愛い。


 お母さんは本当に可愛い。


 そして、カイルキア様の言う通り、本当にお母さんと瓜二つだと言う私は……これまで視認出来ないようにされてたらしいが、美少女……であるぽい。


 今までフツメンだと思ってたから、未だに自信ないんだけど!?



(化粧してなかった顔を鏡で見ても、美少女だったなんて……!?)



 カイルキア様の隣に立って、見劣りはしないと……思う。両想いかもしれないのは今は置いておいて!?



「ロティと一緒……? 君はどこにいたんだ?」


「……体は貴方様がご存知の通り。魂だけ、神の御力により別の次元に保管されていました」


「ロティはほとんど、君やチャロナと瓜二つだったな?」


「私の魂を媒介に創られた存在だそうで。今は、それぞれしっかりと魂は分けられています」


「ロティは……普通の精霊になったの?」


「そう思っていいと思うわ。マックスの契約精霊と結ばれるのにも、なんら問題はないはずよ?」


「良かった……」



 ロティもだけど、レイ君にも幸せになってもらいたから。ジュースをまた少し飲んで、私は少しため息を吐いた。



「うむ! ロティも幸せになれて何よりなんだぞ!!」



 お兄さんは、ジュースをがぶ飲みしてから……ちょっとオジサン臭い仕草で大袈裟に息を吐いた。



「……そうだな。それに、アクシアもチャロナも戻ってきた!! 俺は……俺は、今日ほど嬉しいと思ったことはない!!」



 と言って、また号泣し出したお父さんに私とお母さんは、両腕でぎゅっと抱えられてしまった。


 嫌じゃないから、ちょっと照れ臭く感じちゃったけど。



「また平和な時間が過ごせますわ」


「ああ、そうだとも!」


「私も……パンの指導、頑張……るよ!」


「頼んだぞ!……今、敬語」


「ちょっと……ずつ」


「チャロナ!? お兄ちゃんにも!!」


「う、うん」



 前世では、親孝行出来なかった終わりを迎えてしまったが。


 今は、ちゃんと今の家族がいる。


 少しずつ、家族の絆を作っていきたいと思った。

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