159-3.襲撃間近(イシュー視点)






 *・*・*(イシュー視点)









 いよいよ明日。


 明日になれば、僕の野望は叶う。



「アーネスト様の弟子に、僕はなれるんだ!!」



 一番弟子と名乗っているあちらにも刺客は送っているが、相変わらずほとんどの連中が帰って来ない。


 仕方ないので、あちらは王女殿下を始末した後に僕が直々に向かうつもりだ。


 陛下の御前で王女殿下を殺すのに、生きて帰れるわけがないと思われるかもしれないが。僕には秘策があるんだ。



「転移魔法……僕だから扱えるんだ!」



 わずかな人間しか扱えないとされている、移動手段としては最高峰の魔法。


 城で扱えるのは、王太子殿下とされているが……僕だって、使えるんだから!


 だから、襲撃計画はとどこおりなく実行に移せる!



「イシュー、楽しそうですね?」



 悦に浸っていたら、同じ強固派の仲間が部屋に入ってきた。



「ああ……楽しくて仕方がないよ。明日には邪魔者達を排除出来るんだから」


「ふふ。私もお手伝いしますよ?」


「ああ、是非とも頼むよ」



 こちらにだって、協力者がいないわけではない。


 強固派は古参を含め、最近捕縛されまくっているが。僕らは簡単には捕まらない。


 僕はアーネスト様の唯一の弟子になるためにも……。失敗するわけにはいかないんだ。



「…………出来るわけがないのに」


「何か言ったか? フィルクス?」


「いいえ?」



 何か彼がつぶやいたように聞こえたが、気のせいなら良い。


 明日の式典が楽しみで仕方がない。


 僕ら強固派が日の目を見ることができるかもしれないのだから!!

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