133-5.中華まんシリーズ⑤(マックス《悠花》視点)






 *・*・*(マックス《悠花ゆうか》視点)










 あんまん♪


 肉まん♪


 ごまあんまん♪


 なんてこと、なんてこと!!


 カイル、あたし、レクターとついでにやってきたフィーも加えて。


 カレリア以外、元パーティーメンバーが勢揃いとは言え。


 ずーっと昔。ホムラやコクレンで食べたベショベショ饅頭よりかはずーっと素敵な!!


 チーちゃんお手製の飲茶セットよぉおおおおお!!


 全部中華まんだけど、絶対美味しいはずだわぁああああ!!



「こりゃ……ホムラとかで食ったまんじゅうか?」


「はい。私が今持っている前世の知識とかを使って、きちんと作れました」


「いや……見た目もいいし。匂いもいいのはわかってんだが」


「ふふ。あちらのおまんじゅうは美味しくなかったですよね?」


「ああ。だから、ちぃっとな?」



 まあ、そうね?


 あれは酷かったもの。


 蒸しすぎた、中華まんの皮だけじゃなくて、中身もごまだけの激甘ペーストだったりで。


 だからあたしも、この世界のパンもだが中華まんも嫌いになってたのよねえ?


 けど、絶対この中華まんは期待を裏切らないと思うわ!!


 我がマブダチであるチーちゃんの手製だもの!!



「ん? こっちの小皿はなんだ??」



 フィーが持ったのは、多分チーちゃんが作った酢醤油だと思うわ。



「甘いのと違って、肉まんっつーのがあんだよ? それにちょいとつけるんだ。な、チーちゃん?」


「うん! 先に食べちゃったけど。お肉がジューシーで玉ねぎの甘味と抜群!! コンビニのお肉たっぷり肉まんみたいになったよ!!」


「よくやった!!」



 和芥子がないのは残念だけど……それだけ美味しいのなら絶対全部美味しいはず!!


 どれから食べようか、悩むわねえ??



「なあ? マックスも昔ぶつくさ言ってたが、コンビニってなんだ??」


「えと。お店の種類なんですけど、雑貨屋、食料、冊子などを一括で取り扱う便利なところです。色んな街に行っても必ずある小さな商店ですね? そこにも、秋になるとこういうおまんじゅうが売っているんです」


「ほー? ゴタゴタしてそうだなあ?」


「つまり、僕らが知る範囲だと旅商キャラバンをイメージすればいいのかな??」


「そうですね? 近いと思います」


「早く食おうぜ! 冷めちまう!!」


「では」



 いただきます、と言ってから。あたしはまず肉まんかあんまんどっちにしようか悩んだ。


 甘いのが二つあるし、ここは肉系? おかわりはチーちゃんのことだからあるだろうけど。気分的に……と、気分に任せて、渦が目立つ肉まんに手を伸ばして下の紙を取って。


 まずは何もつけずにひと口。



「んま!?」



 皮はわずかに甘く、ほかほかでふわふわ。どこもべたついてなんかいない!!


 肉も豚肉がジューシーで肉汁たっぷり!! 時々玉ねぎが覗くがすっごく甘くて、肉と調和している!! 餃子とも違う味わいに、周りの皮がほかほかと受け止めていて!!


 ふた口目は、タレをつけてから食べる。


 少し酸っぱ辛い醤油ダレが合わないわけがない!!



「チーちゃん!! ガッツリ再現出来てるじゃなあい!?」


「んふふ〜! 皆さんにも手伝ってもらったお陰だよ」


「ちなみにあんまんって、なに餡?」


「こしあん」


「ジャスティス!!」



 粒あんが嫌いじゃないんだけど、こしあんの方が中華まん向きだと思ってるのよね〜?


 だから、肉まんを急いで食べてからさあ、と思ったら。


 知らない間に、フィーとカイルがレクターに正座させられていたのだった。



「? なにしてんだ??」



 まあ、十中八九予想は出来るけど!!



「……爆食いして、喉詰まらせかけたんだよ!!」


「うぉい!?」



 美味いからって、がっつき過ぎでしょ!?


 だもんで、三つも食べたから当然おかわり権は獲得出来ず。


 あたしはあたしで、ユニーク称号を落ち着かせるのに全部をもう一回おかわりしたわけ。

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