124-3.おうちカレーがカツカレー①






 *・*・*









 悠花ゆうかさんのお願いで、おうちカレーは急遽カツカレーに変更になり。


 急いで、ブロックにしようとしていたシェトラスさんの手を止めさせて。


 今回はカツカレーのカツにすべく、お肉の下ごしらえをしちゃうわけです。



「カツ……と言うと、ちょっと前によく作ってくれたメンチカツと似てるのかな?」


「衣をつけて揚げる箇所は同じですが、今回は少し薄く切ったお肉に付けます」


『「「ほう?」」』



 なんで今はメンチカツサンドとかが控えられたかと言うと。


 食べ過ぎで、体調不良続出にさせてしまったからです。なので、私の提案する料理が美味しくても適量にとレクター先生からお達しがあり。


 今は、ちょっと小休止中です。



「まず、先にカツの下ごしらえです」



 スライスは、お肉が大きいのでシェトラスさんにお願いすることになり。


 その間に、ロティの撹拌器ミキサーで古い食パンなどでを乾燥ドライさせてから、ミキシングでパン粉に。エイマーさんとレイ君には溶き卵の準備。



『すぐに揚げるんでやんすか?』


「ううん。冷やしちゃうの」


『なんで!?』


「コロッケの爆発しない要因とは違うけど。一気に高温になりにくいし、中身が硬くなりにくいの」


『ほー?』



 筋取りと叩きをシェトラスさんが頑張ってくださったお肉を。


 薄力粉をまとわせたら、軽くはたいて。


 次に、卵液。


 最後に、パン粉はたっぷり。この時、お肉を抑えないように注意。


 これをバットに並べて、私にラップでふんわり覆ったら。即冷蔵庫へ。


 最低三十分は冷やさなくてはいけない。



「この間に、カレーを仕上げちゃいましょう!」



 お野菜は既に炒めて、コンソメスープの中で煮込んでいます。アク取りもしっかり完了。


 よーくよーく煮込んだので、野菜の硬さ加減はバッチリ。


 もう一度、一番固いニンジンの茹で加減を確かめて。火が止まったら、力のある男性二人にゆっくりと手作りカレールーを投入してもらう。


 その後に、私がレクチャーしてからシェトラスさんと混ぜていくのを交代。



『ふわ〜、いい匂いでやんすね〜?』


「これは、またお代わり続出者が出そうだ」


「そこに、マックス希望のカツが加われば」


「大変ですよね……?」



 メンチカツでも美味しいと伝えれば、最低レクター先生のお許しをいただかなければならないな、と。


 何故カイルキア様ではいけないのかは、これまでの所業? があるので。


 とりあえず、味見と全員でひと口飲めば。








【PTを付与します。



『ほっこり、手作りルーでおうちカレー』



 ・製造100人前=200000PT

 ・食事ひと口=200PT



 →合計200200PT獲得



 レシピ集にデータ化されました!






 次のレベルまであと76380PT



 】







 おいおいおい!?




「……どうだね、チャロナちゃん?」



 シェトラスさん達に見守られていたらしく、私は大きく頷いた。



「はい。試食だけでほとんど次のレベルまで。ちゃんと食事したらすぐにレベルアップすると思います」


「そうか。それなら、君の食事を別にするか」


「いえ。おそらく、カツを試食しただけで足りるかと」


「そんなにすごいポイントがもらえるのかい?」


「はい。カツもすっごく美味しい料理なので」



 神様の好みだとしたら、絶対当てはまるはず。


 とりあえず、時間になったら先にカツを一枚試食用に揚げることにした。


 レベルアップもあるので、ロティのじゃなく普通のフライヤーで。



「温度はいつもより高めの180度。パン粉を入れて、大きく泡立つ感じです」



 銀製器具シルバーアイテムから菜箸を散り出して、ちょっと先にパン粉をつけてから沈める。


 同時に、かなり高温なので泡が強く生じた。


 ここに、今回は一枚だけカツを投入。


 そして、すぐに大きな泡が立った。



『だ、大丈夫でやんすか!?』


「お肉を冷やしてた反動もあるの。で、泡が少しずつ小さくなるから、これを一度バットに取り出して」



 薄いキツネ色になったが、何も触らずに二分弱置く。



「チャロナくん、まだ食べてはいけないのかい?」


「今は余熱……中にこもった熱を利用して火を通しているんです。生で食べにくいお肉だと、お腹を壊す心配があるので特に要注意です」


「気をつけよう」


「で、二分くらい経ったら」



 私は二度揚げが好きなので、さらに200度の高温で四十秒くらい揚げて。


 軽く冷ましてから切れば、いい色のとんかつが出来上がった!



「「おお!!」」


『う、美味そ!?』


『でふぅ!』


「味見しましょう!!」



 さて、結果がどうなるか。


 まだストックのあったウスターソースを、軽くつけてから全員で口に頬張れば?








【PTを付与します。



『二度揚げさっくり、魔物肉でとんかつ』



 ・製造1人前=100000PT

 ・食事ひと口=200PT



 →合計100200PT獲得



 レシピ集にデータ化されました!



 →レベルが34に上がりました!





 次のレベルまであと5678775PT



 】





 ナビレベルが7になりました!



 ただちにアップデートを開始します。



 次のナビレベルまで、あと6000000PT




 】


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