124-2.おうちカレー②(マックス《悠花》視点)






 *・*・*(マックス《悠花ゆうか》視点)










 なんてこと、なんてことなんてこと!?


 我がマブダチであるマンシェリー王女チーちゃんが!?


 あたしがホットケーキを作ってごちそうしたお礼にって、おうちカレーを作ってくれるんですってぇえええええ!!?


 んもぉ、いきなり押しつけられたカイルの執務補助も捗るってもんよ!!



「……随分と機嫌が良さそうだな?」



 だけど、カイルやレクターにはニマニマ笑顔が不気味に見えたらしいわん?



「んふふ〜〜? だって、カレーだぜ!? しかも、俺が好きなおうちカレー〜〜〜〜!!」


「昔もよく話してくれたよね? どう言うカレーだったっけ?」


「カレールーっつーソースの素になるようなもんが、市販で売っててな? 家庭とかだと、具材を煮詰めたものにそれを溶かして入れて……煮込めばカレーって寸法だ!」


「……前のドライカレーとも違うのか?」


「ちげーな? もっとシチューのように具材が大きいし、とろっとしてるぜ?」


「……ほう」


「姫様のことだから、辛くないものを用意されてると思うよ?」


「……………………ああ」



 ほんと、フィーのせいで辛いものがてんでダメになったんだもの?


 チーちゃんの作るカレーは、お子様レベルだけど美味しいから好きなのよね〜?


 一度、激辛カレーパンを作ってもらってロシアンルーレット紛いのお遊びとか……やりたいわねぇ?


 あたしやチーちゃんが転生者であるのを告げれた面子も増えたし、たまには息抜きもいいんじゃないかしら?


 って、カイルに提案したけど……辛いもん作るから、ものっそ渋い顔になったわ。



「ま。執務もだいぶ落ち着いてきたし、姫様のお陰で時々息抜きは出来てるんだから。いいんじゃないかな?」


「とか言いつつ、あんたがチーちゃんの激辛カレーパン食いたいだけだろ?」


「あ、バレた?」



 この国でも随一の辛さを誇る料理も、ペロリと平らげちゃうくらいすごいのよね、こいつ。


 とりあえず、あたしのすべき業務は終わったから、チーちゃんに伝えるべく厨房に向かったわ。



「……ロシアンルーレットをカレーパンで?」


「あたしも手伝うし、ちょっとお遊び要素が欲しいのよん」


「うーん。けど、あと二日で定例会だし。定例会が終わって、だとフィルドさん達も来るだろうし」


「いっそ、フィルド達も巻き込んじゃえば? なんだかんだで、あいつらカイルに会ってないもの?」


「そう言えばそうだった!」



 なんで、ってチーちゃんが騒いでも無理ないのよね〜?


 フィルドだけはカイルにちょこっと会ってはいるけど、ユリアやシアは全然だし。


 いっつも、絶妙のタイミングで出会わなくしてんのよね? あの神様御一行は。



「とりあえず。おうちカレー楽しみにしてるわよ!!」


「うん! 任せて!! あ。温泉卵載せようか悩んでたけど。シーザーサラダに載せる方がいい?」


「是非、シーザーサラダで!!」



 せっかくのカレーだものぉ。


 最初はトッピング無し……いや待てよ?



「チーちゃん、お肉ってもう加工しちゃった!?」


「え、ううん。これから」


「カツカレーを希望するわ!」


「わかった!」



 食べ盛りだもの!!


 カツカレーもチーちゃんの手にかかればきっと美味しいに違いないわ!!

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