118-3.ガーリックチーズトースト①
*・*・*
シュライゼン様達がいらっしゃる少し前。
昨日はしっかりと休んだので、朝からバケットを仕込んでから、
少し厚めに切り分けたもので、エピアちゃん御所望の『ガーリックチーズトースト』を作ることにした!
「使う材料はこちらです!」
『「「これだけ??」」』
『でふぅ!』
使う材料は、とってもシンプル。
バケットのスライス
おろしニンニク
チェダーチーズ (削ってあるやつ)
ゴーダチーズ (削ってあるやつ)
バター (常温に)
オリーブオイル
ドライパセリ
とこれだけ。
ただし、カロリーオーバーしてしまいがちだから、しょっちゅうは……いや、前世と違ってこのお屋敷の皆さんは肉体労働してるし、いいか?
エピアちゃんもあの細身でも、収穫物の納品とか朝持ってくる時、すごいもん。私より腕力あるかってくらいに、木箱を持ち上げちゃうからね?
「まず、柔らかくしたバターに。おろしたニンニクと、パセリにオリーブオイルを入れて混ぜます」
『「「ふんふん」」』
「あとは、これを適量パンの片面に塗って。二種類の
で、仕上げに黒胡椒でもいいが、パセリを振りかけたら出来上がり。
すると、三人とも目を丸くしたのだった。
「『「こ、これだけで??」』」
「はい、これだけです」
『でふぅ!』
うん、バケットを作る以外そんなに手間暇もかからないお手軽レシピではあるけれど。
試食用の出来立てを食べるのに、ロティも入れて五人分作ったので、ひとまず食べようということになりました。
【PTを付与します。
『お手軽、ガーリックチーズトースト』
・製造5人前=4000PT
・食事1人前=150PT
→合計4150PT獲得
レシピ集にデータ化されました!
次のレベルまであと323580PT
】
チーズの塩気が最初に主張してくるが。
食べ進めると、バターにニンニクのパンチがやってきてさらにオリーブオイルの風味も鼻を突き抜けていく。
個人的には黒胡椒の粗挽きを載せてもいいかもしれないが、これでも十分に美味しい。
「『「美味い!!」』」
『美味ちーでふぅうう!!』
「チーズの味が二種類をブレンドしても、まったく喧嘩していない!」
「あれだけバターとオリーブオイルを入れても、パンの味を引き立てていますね!?」
『普通のバケットで食うよりも、俺っち好きでやんす!』
「あ、これ。パスタ料理のお供にもできますよ?」
「「是非しよう!!」」
『なんのパスタが合うでやんすか?』
「そうね? 庶民向けではあるけど。ミートソースとか」
『濃くないでやんすか?』
「あと、私と
「『「ラザニア??」』」
「普通の細長いのじゃなく、生地のようにひらぺったくしたパスタを使った焼いた料理です」
そして、作ることになるんだろうな〜と思っていたら。エイマーさんに思いっきり肩を掴まれた。
「興味深い!! パンではないが、君のパスタもナポリタンの時のように美味しかったからね!!」
「けど……パンはともかく、私パスタはさすがに」
「大丈夫だよ、チャロナちゃん? パスタなら厩舎で作っているから。だいたいのイメージをエスメラルダに伝えれば出来ると思うよ?」
「エスメラルダさんがですか?」
飼育やソーセージ作り以外にも、意外な一面があるなと思った。
なので、おやつの時間に早速伝えようと思ったら。厨房に転移でシュライゼン様とカイザークさんがいらっしゃったんです!
「おっと! いい匂いがするんだぞ!」
「お邪魔致しますぞ」
「おや、カイザーク殿まで」
「うむ! 俺達今日はホムラに行って来たんだぞ!!」
「ホム……ラ、にですか?」
どうして、と思ったら、シュライゼン様のお話によると、私の作ったパンを持って……なんと皇室まで出向いたのだそうだ!
あの、中国イメージの強いシュリ城に。
皇太子殿下とシュライゼン様は、どうやらお友達のようで。是非一度、私のパンを食べてもらいたいと持っていかれたそうだ。
ただし、
「土産に、この間チャロナが言ってたマッチャをもらってきたんだぞ!!」
「え!?」
抹茶が実在していた?
その事実にもびっくりしたけど、受け取った小箱の蓋を慎重に開ければ。たしかに上質とわかる綺麗な緑色の抹茶とご対面したのだった。
「チャロナ! またでいいんだけど、これで揚げパン食べたいんだぞ!」
「わ、わかりました!」
たしかに今はガーリックチーズトーストがあるから出来ないし、保存も私の収納棚に入れておけば大丈夫。入れっぱなしと言えば、フィルドさん達からいただいた豆乳もあるから。明日あたりに一度試作しようと決めた。
「しかし、チーズとニンニクのいい香りがしますね? チャロナさん、本日は何をお作りに?」
「えと、この間召し上がっていただいたフランスパンを使ったおやつです。召し上がっていかれますか?」
「食べたいんだぞ!!」
と言うわけで、お二人へと先に作ることにしたのだった。
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